【BGMとBGV】Lo-Fi HipHop(forリモートワーク、休憩中、就寝前)

BGMとBGV

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【BGMとBGV】Lo-Fi HipHop(forリモートワーク、休憩中、就寝前)

“Lo-Fi”と”Hi-Fi”、hiphop

今回は、近年のYouTubeで人気となって久しいBGMの人気ジャンル、Lo-Fi HipHopについてまとめました。

 

“Lo-Fi”とは

“Lo-Fi”とは、あえて高音質ではない環境で作り出す音楽を志向する姿勢や、その環境から実際に作り出された音楽を総称します。

Lo-Fidelity(忠実度が低い)、あるいはそのままLo-Fi music(高音質ではない、音が割れていたりひずんでいたり歪んでいたり、原音を忠実に再現していない音楽)と表現される音楽は、時代のトレンドがHi-Fi(Lo-Fiの逆に、高音質、音の忠実な再現性を志向する音楽一般)を至高と判断しているうちは、本質的に目指されにくい、ありがたみを感じられにくい傾向にあります。

そこには一般論としても理解しやすい流れがありますが、時代がただひたすらにクオリティの高いものを目指す方向性を良しとしているうちは、「でない」ものの方向性自体が(あえて作り出す対象としては)真逆であり、目指すべき理想とはなりにくいためです。

身も蓋もない言い方をするなら、Hi-Fiを至高とする場合、ありきたりなLo-Fiであれば特に目指そうとしなくても作れることが一般的でしょうし、特に魅力を感じないことが原則ではないでしょうか。

だからこそ、そこを脱したくてHi-Fiを志向するわけですからね。

 

“Hi-Fi”志向の限界

こういう見方をすると、CDがプレーヤーと共に爆発的な普及を始めて以降アナログがみるみる廃れていった、その結果とにかくCDが売れに売れまくったという、90年代の音楽シーンが微妙になつかしかったりもしますが、高クオリティ(対象を音楽に絞って考えるのであれば「高音質」)がさしあたり行きつくところまで行きついてしまうと、今度はそこに特有の停滞感が生じます。

皮肉なことに、作り出される音の完成度が高くなればなるほど「かつての目標」が失われてしまうためですが、その結果これまで追い求めてきたはずの「質の高いもの」への懐疑や批判が生まれ、時にトレンドが逆流したりするわけです。

音楽に限られない、もう少し大きい枠組みだと、ただひたすらに機能的・合理的・効率的なものを追い求めた「近代化」の動きの後で、近代的なものへの批判であるいわゆるポストモダン(=近代後)の風潮が出て来たような話にも似ていますが(そのまま高性能方向に突き抜けていく類の動きとしては、近年の電化製品の”スマート”化など。参考:【ネット/PC/SNS】IoTとスマートスピーカー)、Lo-Fi的な音楽が持つ魅力、ウケている理由も、結局のところその辺にあるんじゃないかと個人的には思っています。

理想を突き詰め続けた結果蔑ろにされてきたものを改めて振り返ってみれば、それはそれで案外良かったんじゃないか、というような感覚ですよね。

 

“hip hop”

一方で”hip hop”は、70年代にニューヨークのサウスブロンクスで生まれたとされる、メインの音楽文化に対する「裏」だったり「サブ」だったりというポジションから発展してきた音楽です。

音楽としても文化としても、好きな人はとことん好きだろうけど、端から万人受けは狙われていない感にあふれていますよね。

ラップやブレイクダンスが柱となり、DJがそれをアレンジする、独特のファッションも要素の一つになっているというような世界の作られ方自体、やはりメインの音楽文化とは異質な「何か」が作り上げてきた文化がそこにあるといえるのではないでしょうか。

 

about “Lo-Fi HipHop”

そんな”Lo-Fi”と”hip hop”、元々食い合わせ自体が抜群だったんじゃないかと思えたりもしますが、大きな動きとしては2016年~2018年あたりにかけて、特に2017年にYouTubeではじまったライブストリーミングをきっかけとしてブレイクします(というようなことが、多くのLo-Fi HipHopサイトで語られています)。

音楽としては、ジャズの音源をサンプリングしてまとめたものが主流のようです。

サンプリング(動詞”sample”の現在分詞系=sampling、採取、抽出等の意)とは、既に世に出ている音源・フレーズをアイデアとして利用(サンプリング=採取)し、別の音として再構築することです。

例えば電子ピアノの音なども、グランドピアノの音を忠実に録音(サンプリング)し、再現することによって作られているのですが(結果、鍵盤を叩く感覚が多少いい加減でもいい音が出てしまうので、アップライトピアノやグランドピアノと比べると、電子ピアノは練習にはあまり適さないとも言われています)、Lo-Fi HipHopの場合は「音の再現」というよりは「フレーズの再現」であり、その繋ぎ合わせで全く新しい曲を作っていく、というような手法ですね。

よく耳にするBGM的なジャズ音楽自体、有名曲を編曲して別バージョンの曲にしましたというような曲が結構あったりするので、ジャズを元ネタにすることが多いというLo-Fi HipHopの世界では、「編曲された曲の一部をさらにサンプリングした」結果、元曲が持つ雰囲気含め、再構築された曲では原型が形をとどめていないような場合も結構あるんじゃないでしょうか、なんて思います。

だからこそ、という部分もあるのかもしれませんが、聴きやすいLo-Fi HipHopって、本当にいつまでも果てしなく聴いていられるので、特に夜寝つきが悪い時の眠くなるまでBGMとか、夜間の作業中BGMとしては秀逸です。

ちなみに、Lo-Fi HipHopの類似ジャンルに”chill out”があります。Lo-Fi HipHopで検索すると”chill”が引っかかってくる場合があるのですが、こちらも同様にBGMとして魅力的です。今回は特にchill outには触れませんが、機会があれば、chill outのおすすめもまとめてみたいと思います。

 

Lo-Fi HipHop お勧めライブチャンネル

以下、現在個人的に特に気に入っている、Lo-Fi HipHopのライブチャンネル5選をピックアップしました。

 

coffee shop radio // 24/7 lofi hip-hop beats

STEEZYASFUCK(チャンネル登録者数107万人)のライブチャンネルです。

背景の絵が表しているような、深夜のコーヒーショップ感あふれる音が魅力です。お店に横付けされている車のハザードランプには、色々な想像を掻き立てられますね。

 

🌙 24-7 lofi hip hop radio – late nite chat – every night 8pm-4am ♫

Nickolaas(チャンネル登録者数9万人)のライブチャンネルです。

カーテンを開け放して、マンションの中層階だと思われる一室に靴を履いたまま横たわっている姿が印象的です。窓の外には夜の灯りが、部屋の灯りを落とした室内ではアナログのレコーダーが回り、ネオンサインが光っています。

イラストの細部までよく見ると結構忙しい室内に見えてくるのですが、ぱっと見で伝わってくるのは、疲れた自分を丸ごと包んでくれるLo-Fiの世界、みたいな感じでしょうか。

深夜にかけて、頭を研ぎ澄ました状態でまったり集中したい場合のBGMにお勧めです。

 

他、lofi hiphoplofi liveで検索すると、lo-fi関連の人気チャンネルを検索することが出来ます。

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