【ボクシング/スーパーバンタム級】井上尚弥vsスティーブン・フルトン【四階級制覇】

スポーツ一般

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

【ボクシング/スーパーバンタム級】井上尚弥vsスティーブン・フルトン【四階級制覇】

ベイスターズ戦から”モンスター”へ

バンテリンドームでのベイスターズのvs中日戦を、Jsports2でテレビ観戦中のこと。

ノーノーピッチャー・今永投手の中々のピッチングを見ている最中に、日刊スポーツの”井上尚弥-フルトン、4階級制覇&世界戦20連勝へ 清水聡は最年長奪冠挑む/ライブ速報します“の記事を発見しました。

「あれ? 井上尚弥の試合って今日だったっけ?」

「マジ? 今日、井上尚弥やるの?」

「えっと、25日って、今日じゃねーか!!」

といった感じで中継先を探した結果、無事ネットで見れるところを発見(NTTドコモの映像配信サービス。2023年8月7日まで無料視聴可能です)出来たので、そのまま中日戦と二窓で同時視聴を進めました。

vs フルトン

観戦記

試合の方は、”試合前の演出もばっちり”というおまけつきで試合開始が待ち遠しくなる事たまらなかったですが、いざ始まってみればさすがに無敗のチャンピオン同士の対決ですということで、素人目にはのっけからほぼ互角の展開です。

ただし、1Rから微妙に井上選手の方が優勢かな~、というような展開ではあったように見えました。

どこか井上選手の方が前に出れている「ように見える」、手数が多く出せている「ように見える」、ところどころで結構きれいなパンチが入っている「ように見える」、結果、ほぼ互角とはいえ、それでもなんとなく井上選手が試合を支配している「ように見える」、といった感じですか。

そんな感じの試合展開が中盤位まで続いたんですが(日刊のジャッジでは、序盤は井上選手がやや優勢でした)、こういう”微妙に”とか”気持ち”とかっていうくらいの(特に素人目から見た場合の話しですね)、なんとなく目に見えるような”気がする”位の実力差って、”なんとなく”がじわじわ積み重なっていくことで、試合によっては良くも悪くも終盤に圧倒的な差となってしまうようなこともあったりするんですけど(なんとか頑張り続けたものの最後には踏ん張りが利かなくなり、とうとう試合がぶっ壊れてしまった、みたいに。もちろん、そうはならない場合も幾らでもあるでしょうが)、今回の試合についてはそもそもそれがあまりなかったんですよね。

というよりは、ほぼないように見えたんですよ。

だから見ている側としては、試合展開的にかなり不気味といえば不気味なところもありました。

ひたすら”気持ち優勢かな~”が続いていく状態で、今までだったらここで相手が倒れた、この辺から相手が崩れていったというようなところで相手が崩れずに、逆に井上選手がいいパンチもらうようなシーンがボチボチあったり(中盤は、日刊のジャッジでもフルトン選手の方がやや優勢でした)。

「やっぱり階級あげると難しいのかな」

「そのためにポイント意識した試合展開してるのかな?」

「実はこの試合展開自体もフルトン選手の計算のうちだったりするのかな?」

なんて思い始めた8R。

やっぱり、実は井上選手のパンチや圧が効いていたんですね、というような展開が突如訪れて、そこから試合はほぼ一気に決まりました。

終わってみれば、いつもの”モンスター”・井上尚弥の試合でしたね。滅茶苦茶すごかったです。

井上尚弥8回TKO勝ちで最強証明!フルトン撃破で世界ベルト2本獲得&4階級制覇/ライブ詳細(2023.7.25 日刊スポーツ)

スポーツ紙他報道

井上尚弥

井上選手は試合後のインタビューで「計算通り」という返答をしていました(2023.7.25日刊スポーツ “井上尚弥4階級制覇「やれること証明できた」無敗王者に「当たるだろう」計算通り一撃で8回TKO“、”井上尚弥「楽しかったですよ。頭も使いましたし」フルトンとの技術戦振り返り/一問一答“)。

受け答え的にはいつも通りといえばいつも通りを感じさせる返答ではあるものの、インタビューでの返答や著作の中での主張では、そもそもそこでいう井上選手の”計算”自体が常人の発想の斜め上を行くようなものなんじゃないか、なんて感じることがしばしばあったりもします。

およそ目標を持つ人間であれば誰しも積み重ねるであろう類の努力の中に、並の人間にはまず無理なんじゃないかという計算を含めつつ、日ごろの練習の積み重ねでそれを実現可能なものとして、実際の試合では”計算通りに”相手に向かっていくということが出来るって、やっぱり相当すごいことです。

実際の試合を見て、その上でインタビュー等を見て、やることなすことに一々奥深さや想像の限界を感じさせられるようなことがあったりする、そのあたりのことも井上選手の試合等をチェックするときの楽しみでもあるのですが、昨日の試合でも改めて、著書(勝ちスイッチ)を読んだときのことを思い出しました。

ボクシングを中心としたやることなすことに一切の無駄がないように見える上、”計算”自体も洗練されていて、なおかつエグいと。その点、個人的なイメージでは、ボクシング界の大谷翔平が井上尚弥、野球界の井上尚弥が大谷翔平、みたいな感じに見えたりもします(井上選手と大谷選手は、井上選手が一学年上の同世代で、お互い面識もあるようです)。

井上選手の所属する大橋ジム会長で、元世界チャンピオンの大橋秀行会長からしても”いつも私の想定する未来を超えながら走っている”という面があるようで、当たり前のように出てくるとんでもない結果にしても、全ては常日頃の地道で質の高い(時に常人には実現不可能な)練習から(なおかつ、周囲との良好な関係あってこそ)、ということなんですよね(2023.7.25日刊スポーツ “【手記】年内には日本で4団体統一戦を 井上尚弥から初めて重要な相談…延期即決/大橋秀行会長“)。

スティーブン・フルトン

とはいえ、これもまた当たり前のこととして、その井上選手相手にあれだけの試合をやってのけたという時点で、相手のフルトン選手も滅茶苦茶強かったってことも十二分に伝わってきます。

実際、試合前の予想ではややフルトン選手が優勢だったんですが(2023.7.25日刊スポーツ “井上尚弥-フルトン勝つのは?ドネア「フルトン優利」クロフォード「フルトンは大きくて強い」“)、そのフルトン選手に勝った井上選手が最強なら、井上選手相手に簡単に負けなかったフルトン選手もまたえげつない強さを持っていたということでしょうか。

ただ、それでも井上選手相手に二度ほど死闘を演じたフィリピンの”5階級制覇”レジェンドボクサー、ノニト・ドネア選手は、「イノウエが今まで戦った中で最強」とも言っています。このあたり、素人ファンからすれば、試合開始前から7Rまでは本当にわからない戦いではありました(THE ANSWER 2023.07.24″井上尚弥は「今まで戦った中で最強」 ドネアが英専門誌で告白「パワー、瞬発力…自分と似ている」“)。

試合前の映像からは、メンタルの強さが際立つクレバーな選手だということがこれでもかとばかりに伝わってきましたが、その印象は試合が終わった後も特に変わることはありませんでした。

フルトン選手は試合後のインタビューでも、「強いボクサーが強いボクサーと対戦すると、大体こんな感じになるよな」といった感じのコメントを残していますが(参考:2023.7.25日刊スポーツ “フルトン、井上尚弥に「サプライズはなかった」と負けん気も「ジャブが見えなかった」/一問一答“)、ともあれ、お疲れさまでした! 

追伸

試合後のリングでのインタビューでは、マイクパフォーマンス(?)のようなコメントの延長で、井上選手の試合を観戦していた同階級のWBA/IBFチャンピオン、マーロン・タパレス選手を相手とした、年内のスーパーバンタム級統一戦が決定するという、どこかボクシング漫画のようなワンシーンも待っていました。

井上尚弥「次戦、スーパーバンタム級で4団体統一」2団体王者タパレス「井上と戦いたい」(2023.7.25 日刊スポーツ)

ところでボクシング漫画といえば、井上尚弥選手って『はじめの一歩』で例えるなら誰なんでしょう。最近の一歩は読んでいないのでよくわからないのですが、主人公・幕ノ内一歩の周辺で例えるのであれば、宮田の中に鷹村が入っているみたいな感じでしょうか。

なんてことを考えていたら、

https://twitter.com/naoyainoue_410/status/1370591560434262021?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1370591560434262021%7Ctwgr%5E693cc8a1448c81599c924b56c6c468067b8b5075%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fthe-ans.jp%2Fnews%2F149996%2F2%2F

なんと本人が直々に一歩の世界のキャラ(ゲームアプリに登場)になっていたようです 笑。

これはすごい!

どれだけガチャ回したら”モンスター”を引けるのかわかりませんが、スマホゲーもボクシングも好きな人からしたらたまらない感じかもしれませんね。

それにしても、これで国内2人目の世界4階級制覇、世界戦20連勝ですか。

本当に、おめでとうございます!

タイトルとURLをコピーしました