【そらそうよ/日経平均株価】2日連続の急落、一時2000円以上の値下がりを記録

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一方で為替は”円高ドル安”。これ全て、海外(具体的にはアメリカ)の景気動向に依った動きだと報じられています

参考:NHKニュース “株価 一時2000円以上値下がり 米の主要株価指数の下落受け“、”株価 全面安の展開 終値で900円以上値下がり“、”NYダウ 一時700ドル超の大幅値下がり 景気減速への懸念広がり“、”円相場 一時1ドル=148円台まで値上がり 4か月半ぶり円高水準

これまで好況が続いていたアメリカ経済に減退傾向が見えたことを感知した、日米金融当局の動きに従う形で市場が動いているようです。

前日1日の株価急落は円高ドル安を原因としたものですが、そもそもその円高ドル安という為替相場の動向自体が、アメリカ経済の景気減退をとっかかりとした連鎖的な動きでもあります。

“円高ドル安”は、輸入品の価格が懐に優しいものに推移していく反面、輸出産業にとっての打撃に繋がる(ここが懸念されたことから、円高での株価下落が生じた)という推移ですね。

自国(アメリカ)の景気減退傾向を感知したFRB=アメリカの中央銀行にあたる連邦準備理事会金利引き下げを示唆したことがはじまりで、これを受けた日銀が追加利上げを決めたことが“円高ドル安”の原因であると見られています。

要は日米の中央銀行がそれぞれ「経済が減退した(米)」「経済が好調だ(日)」と判断したことが、為替には素直に反映された、結果円高ドル安傾向が加速したまずはこの動きが日経平均株価を急落させた)、ということです。

日経平均株価については、まずは円高に、引き続きアメリカのダウ急落に引っ張られる形で奈落の底へと落ちて行ったと、そんな形ですか。

で、一体何が”そらそうよ”なのかといえば、バブル後の”失われた〇〇年”を経験したことによってモノづくりがほぼ焼け野原となってしまった日本経済で、次の基幹産業って一体なんですか?ってことなんですよね。

そこが心もとない以上こうなることは尤もなことで、不思議な話でもなんでもないってことですか。

「株価が史上最高値を記録したから好景気だ」(白目)という金融当局(さらには政府)の判断についても、株高の中身を見て見れば、相応の実力で四半世紀前の壁を破ったというよりは、単にアメリカ経済の好況の恩恵にあやかってそうなったって話であって、どうしようもない状況から、なんでもいいからポジティブ要素を発信してくれと言われた時には、大体こんな形の理屈を回すことになりそうだというところに落ち着いているようにも見えてきます。

でもそれを鵜呑みにしていると、いつかどこかで取り返しのつかない急落を経験することになるのではないかと。今現在って、ほぼその一歩手前くらいのところにいるんじゃないかって印象も、無きにしも非ずなんですよね。

“あと一歩”が10年15年続いた後で、いざ時が来れば転落し切るのにかかる時間が高々数週間~半年程度とか、洋の東西の古今を振り返った時、それはそれであるあるといえばあるあるな展開でもありそうです。

日本の近代史でも、開国(大変動のきっかけ)から大政奉還(さしあたりの帰結)までに10年以上の時間を擁していることに対して(異国船打ち払い令からカウントするのであれば、約30年ですね)、”その後”の趨勢を占う戊辰戦争の勝敗を実質決定づけてしまったという鳥羽伏見の戦いに至っては、精々数日足らずです(その更に2年後には新国家建設を決定づけた廃藩置県が行われますが、ここまででも大政奉還から4年弱です)。

鳥羽伏見のおよそ2か月ほど前、大政奉還の時点で”廃藩置県”まで想定出来ていた幕臣が果たしてどの程度いたのかなんて話しですが、既に30年以上実質がけっぷちの今の日本経済とて、こと”一寸先は闇”事情については決して他人ごとではありません(ということを、現状が物語っているようには映ります)。

例えばでいえば、愛知の車屋さんや元国営企業の電話屋さんがいくら儲けようが、それらの会社が共に一私企業である以上、その車屋さん・電話屋さんが個別に儲けてどうこうしたって話に過ぎません。

そもそもそんな形で国中の(半ば公的な)期待を集中させたとして、その期待の仕方自体がはたして真っ当なものなのか、さらにはその会社に何かあったらどうするんですかって話、言葉を選ばずに理想を言えば、仮にそういう会社が潰れたところで一国の経済自体は(ダメージは受けたとしても、大勢において)どうとでもなる、という状態が必要なところなんですね。

民営って要するにそういうことで、そのあたりが公共企業体との最大の相違点でもあります。

にもかかわらず、“潰せない”会社には何千億と税金投入して延命を図った、結果与党サイドが猛烈な世論のバッシングを受けたなんてことも失われた〇〇年期間にはボチボチあった気がしますが、公私の違いについてはよくよく吟味する必要があるし、かつて猫も杓子も土地に融資を集中させたことで国を傾かせてしまったという失敗からも、少しは学ばないと駄目なところですよね、この辺は。

例えば高度成長期へと至るモノづくりなどでは、まさに国を挙げて(焼け野原の中から、そういう国になるための予算編成や都市計画まで含めた上で)”製造業+輸出産業”に総力突っ込んでいたからこその大成だったので、結果的に同じような規模の大メーカー同士が(地域をあげて)しのぎを削ることも可能となりました。

“Made in Japan”のブランドに国民上げて一喜一憂したとしても、かつてそこにはそうなるに足るだけの尤もな理由があったのだってことですが、今現在同じ調子でかつての栄光にすがったとしても、同じ未来が用意されていないことは明白です。

既に、土台も人員も失われてしまっているからですね。

その次元で次を考えるのであれば、強いて言うなら観光産業、あるいはコンテンツビジネス(オリジナルの著作物で勝負する業界。例えば漫画、ゲーム、アニメの他、音楽、イラスト、絵画、工芸品、スマホアプリ等々)あたりが既に次世代の柱と目されているのかもわかりませんが、まぁ、まだまだ個別に強い人(モノ、地域等々)がいるにはいる(あるにはある)、というくらいですか。

現状ではまだまだ「アメリカがくしゃみをしたら風邪をひく」という国に甘んじてしまっていると。

いつの日か、どこかから突破口が拓かれることを祈りつつ、日々努力したいって感じのところですね。

関連:【日経平均】東京市場で史上最高値=42000円台を記録した後、1000円超の下落【政策保有株削減】MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)と三井住友FGが、トヨタ株売却へ

24.8.5追記

5日早朝以降の外為市場・円相場では、一時一ドル145円台という半年ぶりの円高水準まで値上がりしましたが、この円高を受けて日経平均株価も急落、一時2500円安を記録しました。

5日午前10時過ぎ現在33000円台で推移していますが、これは今年2月に記録した日経平均の史上最高値(42000円台)から約9000円安い相場です。

日経平均が3週連続で1000円超の下落を記録するのはバブル崩壊以来のことのようですが、その傾向はさらに継続しそうです。

参考:ロイター “ドル145.20円まで下げ幅拡大、日経平均一時2500円安“、NHK “円相場 一時1ドル=145円台まで値上がり ことし2月以来の水準“、”株価 一時2500円以上値下がり 5日も急落止まらず“、IG証券 “日経平均、3週急落 バブル崩壊期以来 円高の業績見通しへの影響は?

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