【為替/ドル円が34年ぶりの水準】外為市場で円安が加速、一時1ドル160円台へ

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“34年前”とここ一か月の値動き

参考:NHK “円相場(外国為替市場) 一時1ドル=160円台に値下がり 34年ぶり“、”日銀 植田総裁会見“円安 物価の基調に大きな影響なし””、MUFG “1990年以降の為替相場

29日の外国為替市場で円安が更に加速、一時1ドル=160円台まで値下がりしました。

関連要素としては、先日の日銀総裁の”現在の金融政策を維持していく(現状では、特に円安には反応しない方針だ)”という会見内容に市場が反応した、要は”FRBの金利引き下げ先延ばし予測の広まり”(参考:日経平均株価は一時650円以上値下がり、”円安”は歴史的水準へ)が作った(円安ドル高の)流れを(総裁の会見内容が)そのまま加速させた形ですね。

記事タイトルにもある通り、1ドル=160円台は1990年4月以来、34年ぶりの水準です。

前回その水準で取引されていたという90年4月の場合、概ね158円~161円の間で、160円の壁を挟んで行ったり来たりの後に(翌5月以降)円高方向にぶれて来たという値動きがあったようなので、今回もこの辺で円安が止まることが考えられるのかもしれません。

でもどうでしょうね。

過去との単純比較でも中々強烈なデータが用意されていますが、そもそもドル円はここ一か月で10円下がっているんですよね(参考:日本円が33年8ヵ月ぶりの円安水準。1ドル151円94銭へ。)。

3月下旬の水準が90年7月以来(151円台、33年8か月ぶり)で、今回が同年4月以来(160円、34年ぶり)。中々激しい値動きをしていますが、”過去の上限”が天井になることが考えられるとすると、160円の壁にしても、そこに一つのラインがあるように見えてこないこともありません。

ただし、件の90年には”10円”の変動に3か月を要しているあたり、過去がこうだったから今回もこうだ、とは言い切れないのかもしれません。

そもそも、一か月前には”155円あたりで止まるのではないか”というようなことも言われていたのですが、結果は御覧の通りの現状となりましたということで、155円を突破したあと仮に今後160円の壁を超えても円安が止まらないとなると、次に見えてくるのは(80年代半ばまでの水準だったという)220円~230円あたりのラインだということになるのでしょうか。

そうなると、つまりは日本の(特に経済面の)評価がバブル前までさかのぼってしまう(”上り”と”下り”のすれ違い状態ですね)なんて話しにもつながっていくところとなるのですが、そういうとらえ方をしてみると、その状態を容認してほしいと思うかどうかという話しとは別に、なんかこれはこれで妥当なところのように思えて来たり、来なかったりは正直、なくもないかもしれません。

どこかで語られていた「今は専門家が自信をもって間違える時代だ」(=”専門家”の確信が外れる時代だ)という至言(?)がそのまま現実となっていくような雰囲気を感じさせますが、とりあえず肉野菜果物ガソリン等々輸入品の値上げ関係がさらにエグいことになりそうです。

なにはともあれそこだけは本当に勘弁、といったところですね。

同日午後からは日銀の介入(ドル売り・円買い)を市場が警戒する形で為替売買が進んだ結果、1ドル=155円台で推移しています(参考:読売新聞 “円相場、34年ぶり1ドル=160円台の後155円台まで値上がり…介入への警戒感で値動き荒く“)。

この急騰に対しては「逆にそれ以外の何が理由になるとこういう値動きにつながるのか」って話でもありそうですが、当局(財務省)の”覆面介入”の動きも指摘されています(参考:日銀公式サイト “為替介入(外国為替市場介入)とは何ですか?“、ロイター “円が対ドルで5円上昇、介入観測 神田財務官「ノーコメント」“、”神田財務官、為替介入観測に「いまはノーコメント」“、ブルームバーグ “円が急反発、一時154円台まで上昇-覆面介入を指摘する声も“)。

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