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【おうち時間】コーヒーの基礎知識とコーヒーの淹れ方
まったりした食後のひと時や眠気覚ましが欲しい時。”一息”の入れ方って色々あるかと思いますが、今回はそんな中でも定番付近にある休憩中のお供、コーヒーについての基本知識をまとめました(今回は、缶コーヒーや自販機のコーヒーは割愛しました)。
about
産地、風味の基本
コーヒーは、13世紀のアフリカ(エチオピア、イエメン)に起源があり、今ではアフリカやインド、インドネシア、ハワイ、中南米など、世界60か国で生産されています。
風味を表現する基準は、ざっくり「酸味」⇔「苦味」と捉えると分かりやすいです。
各種の紹介ページでは、苦みが効いているか、それとも酸味が効いているかという軸で表現されることが多く、酸味が濃い場合、苦みは薄くなり、逆に苦みが濃い場合、酸味は薄くなると捉えられます。
このほかに「フルーティーな味わい」や「甘味」が加わることもありますが、それらは概ね「酸味」と「苦味」のバランスに加味される形の個性です。
概して、日本で一般に流通しているコーヒーの中で人気なのは酸味が強いもので、苦みが強いのは一部アジア(インド、中国等)産のコーヒーだという特徴があります。フルーティーや甘味ということだと、ハワイのコナコーヒーに象徴されるような、どこかトロピカルな味わいが感じられるような独特の風味が特徴です。
コーヒー豆の命名は産地名によっていますが、産地により、味も異なります。
現在は、特にブルーマウンテン(ジャマイカ)、キリマンジャロ(タンザニア)、コナ(ハワイ)が”世界三大コーヒー”と呼ばれています(前二者は山脈名、コナは地域名です)。
ブルーマウンテンは苦み、酸味、フルーティーな味わい全てを兼ね備えている、キリマンジャロは酸味が強く、コナはフルーティー感が強いと言われています。
焙煎度、挽き方
コーヒーの味はまた、焙煎度と豆の挽き方によっても変わります。
前者は浅炒り、中炒り、深炒りと三段階に分けて、深く炒れば炒るほど苦みが濃くなり、後者は深く砕けば砕いただけ、味は濃くなります。
つまりこの点からだと「苦みの浅い(酸味の効いた)コーヒーを飲みたいのであれば、中炒りされた豆を買ってきて、浅く砕いてドリップすればいい」「苦味の効いたコーヒーを飲みたいのであれば、深炒りされた豆を買ってきて、細かく砕いてドリップすればいい」と捉えることが出来ますが、もちろん焙煎度や挽き方以外に産地によっても風味が変わるため(ここは逆に、産地の他淹れ方によっても味が変わると捉えるのが素直な解釈ですね)、元々の風味を尊重した上でさらにひと手間加えるならこういうやり方がある、という部分の技術が焙煎度や挽き方を意識した淹れ方です。
豆の種類や炒り方、砕き方に変化を加えることによって、例えば同じ豆だけを使ったコーヒーでも、炒り方砕き方によって味が変わる他、幾つかの豆や”炒り方”を合わせることによっても、風味が変わってくるわけです。
“ブレンドコーヒー”と呼ばれるコーヒーは、コーヒー豆自体をブレンドする(=混ぜる)ほか、この焙煎度をブレンドすることによって深みのある味わいが作られたコーヒーのことですが、前者をプレミックス、後者をアフターミックスと呼びます。
これに対して、同じ豆、同じ炒り方をした豆で入れたコーヒーを、ストレートコーヒーと呼びます。
アメリカンは、厳密には「浅炒りコーヒーを多めのお湯を使って淹れる」飲み方ですが、現実に即して平たく言えば”ブレンド、あるいはストレートのお湯割り”で代替できます(これが一般に知られた飲み方でもありますよね)。
ちなみにコーヒーのアメリカンは和製英語なので、海外で”アメリカン”を飲みたい場合、ウィーク(weak=弱い)コーヒーで注文しましょう。
参照サイト
UCC: コーヒー豆の種類と特徴|産地で変わる味の違いや豆の選び方
SAWAI COFFEE: 世界のコーヒー豆の特徴
味の素AGF株式会社: コーヒーが出来るまで
COFFEE TOWN: 奥深いブレンドコーヒーの世界
株式会社ダイオーズ オフィスコーヒー情報: コーヒー豆の種類とその特徴まとめ
他
コーヒーの淹れ方各種
豆からコーヒーを淹れる場合、コーヒー豆を粉にしておく必要がありますが、その際にはコーヒーミルか(ミルは、手動のものも電動のものもあります)、もしくはミキサーなどで豆を砕きます(ミキサーでも、ミルの機能が付いたものが売られています)。
豆の砕き方によって味わいが変わって来るので、細かいことを言いたい場合はその点にも注意!することがポイントですね。お店では豆も粉も売られていますが、挽き方から拘りたい場合は、ミルを購入した上で、お店で豆を買う必要があります。
ちなみに、コーヒー豆を細かく砕けば砕いただけ味は濃くなるので、苦みの薄いコーヒーを飲みたい場合は、あらびき程度で止めておきましょう。
以下、主な淹れ方を4つほどピックアップしました。
サイフォン式
サイフォン式は、フラスコやアルコールランプを使った淹れ方です。
ぱっと見がまんま理科の実験、19世紀のヨーロッパ発祥だという起源を感じさせる淹れ方で作られるコーヒーは、出てくるまでも楽しめそうですが、作業に慣れるまでのハードルが高そうではあります。
ハンドドリップ式
ペーパーフィルターを使う方法、ネルフィルターを使う方法、二通りありますが、ポット、あるいはコーヒーカップの上にドリッパーとフィルターを載せて、そこにお湯を注ぐ淹れ方です(後述しますが、今はインスタントでもドリップパックタイプのものが普及しています)。一見簡単そうに見えるのですが、コーヒーの味はお湯の温度や注ぎ方によっても変わってくるため(高温だと苦みが、低温だと酸味が出やすいと言われています)、淹れる人によって全く味が違ってくる可能性の高い方式ではありそうです。
エスプレッソ
イタリア発祥で、イタリアやフランスでよく飲まれているといわれる淹れ方です。深炒りのコーヒー豆を使って短時間(エクスプレス=急行の意味が、ルーツに含まれるようです)で少量の濃いコーヒーを淹れる方法です。飲み方としては今日日一般的になっていますが、専用の機械(エスプレッソマシン)が必要なので、家庭用としてのハードルはそこそこ高そうです。
参照:UCC:「エスプレッソ」の魅力とは?
コーヒーメーカー
現在は廉価なものも多数揃っているので、豆や粉からコーヒーを淹れたい場合、各種コーヒーメーカーに頼るのが一番無難でしょう。一台あるだけで、休憩時間の深みが随分と変わります。
インスタント
一番お手軽なのはやはりインスタントです。
粉をお湯に溶くタイプのインスタントの他、豆を砕いた粉にお湯を注いで飲む、ドリップパックタイプ(=インスタント・ドリップコーヒー)のものもあります。
ドリップパックは、粉を溶くだけのお手軽コーヒーに比べるとそれっぽく、インスタントとはいってもドリップ感を味わえるのが特徴で、飲むまでにひと手間が加わることでそれっぽい雰囲気が加味される、その分美味しく感じられるという長所があります。
とはいえ、粉をお湯に溶くタイプ、ドリップパックタイプ、どちらのコーヒーも「インスタントだからまずい」ということは今はほぼありません。
仮にそれがあるとするなら、粉を溶くだけのインスタントコーヒーで、粉の分量を間違えたからそうなったという類のケアレスミスに起因している場合が多いんじゃないか(多く入れ過ぎたからインスタントっぽさが強まったとか、逆に少なすぎたからコクがまるで感じられなくなったとか)、あるいは飲む前の段階で先入観が味を決めてしまったとか、そのあたりが「あるある」なんじゃないでしょうか、とは思います。
あとは、封を切ってから長い時間が経過してしまった場合など、明らかに風味が落ちることもあるので、常に旨いインスタントを味わいたい場合は、なるべく小さめの瓶に入ったものを選ぶのもポイントといえばポイントですね。
とはいっても、コーヒーメーカーでも廉価なものが多く出されている上、ビジホのラウンジでサービスされているコーヒーからコンビニコーヒーに至るまで、当たり前にドリップコーヒーを楽しむことが出来る昨今、飲もうと思わないと飲めないコーヒーになりつつあるのが一般的なインスタントコーヒーなのかもしれませんね。
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