この記事を読むのに必要な時間は約 24 分です。
【横浜DeNAベイスターズ】2022年シーズンからの2023年シーズン -反撃から頂戦へ-
2022年の戦いから振り返る、2023年シーズン前半戦
念願の交流戦初優勝を決めた、今2023年シーズンのベイスターズ。
開幕当初からぶっちぎりのスタートを切れたわけでもなく、交流戦初優勝にしても史上まれに見る大混戦の末に僅差で首位を勝ち取ることが出来た戦いだったというように、苦しみながらも結果を残してきたというシーズンが目下のところ続いています。
交流戦の優勝が弾みになって、以降波に乗っていくことを期待していたのがファン心理だったのではないかと思うのですが、直後のハマスタ阪神戦で3タテ(三連戦三連勝)を決めた直後から、やや低空飛行が始まります。
地元ハマスタ連勝記録が途切れることとなった4連敗を含む1勝4敗1分と、7月の頭まで約1週間ほど、”初優勝”の余韻の中でどこか緊張の糸が切れたようなチーム状態となってしまいます。
ノリにノって大型連勝を決めてくれることがあるかと思えば、一旦負け始めると留まるところを知らず。あっという間に少し前までとはまるで別のチームのようになってしまうという”悪弊”は、一ファンとしては認めたくはないですが、”ベイスターズあるある”ですね。
往々にしてチーム状態も主力選手の個人成績も上振れする時は乱高下する嫌いがある、ドカンとあがってドカンと落ちるみたいな戦いが続いてしまう辺り、ベイスターズというチームが伝統的に、ともすると横浜大洋時代から繰り返してきた戦い方の典型ではあるのですが、そんな感じで迎えた交流戦後。
あれよあれよという間に気が付けば緊張の糸が切れたような状態になってしまったというか、試合の中でも所々に覇気がないシーンが目立つようになり、そのあたりの様子が選手個々の個人成績にも反映され始めます。
思えば世界一を勝ち取ったWBC直後の侍ジャパン戦士・牧選手が深刻な不振に陥っていたことも、今年前半戦の苦戦の一因となっていた時期がありました。
ですが振り返ると結局のところ、最終的に2位で勝ち抜けポストシーズンを迎えた昨年も、概ね似たようなチーム状態ではあったんですよね。
ということで。
まもなく前半戦も終了しますということで、残り一週間のラストスパートに期待しつつ、昨年前半戦の戦いを振り返ってみました。
2022年球春到来 -オープン戦の好調とコロナ禍-
“横浜反撃”をチームスローガンに掲げてシーズンを戦い、惜しくも2位に終わった昨シーズン。
スタッフに”98年組”(前回優勝時のメンバー)復帰、ドラ1目玉ルーキー・小園健太投手獲得など、明るい話題にあふれた状態でキャンプインした昨年2月(参考:横浜DeNAベイスターズ、まもなくキャンプイン!)は、”結果として反撃することが出来た”シーズンのはじまりとなりました。
主力選手が”コロナ陽性”で隔離されてしまう(牧選手、大和選手等)ところからのスタートで、キャンプ中にも離脱者が相次ぐ(今永投手、佐野選手、森選手)など、先行きが不安となるような出だしではあったものの、それでもポジティブ要素満載で球春を迎え、ある程度そのままの勢いでオープン戦を戦うこととなります。
結果、数字的には決して悪くないはずの”オープン戦3位”の成績でシーズン開幕を迎えるのですが、そもそもこの”3位”の順位によからぬ含み(後述)があったからなのか、オープン戦期間の好調なチーム状態は開幕直後から一転します。
それを象徴したのが新型コロナ感染や怪我などによる離脱者が続出するチーム状態、さらには後述する”日曜日の呪い”でした。
日曜日の呪いと”日曜ヤスアキ”
「レギュラー全員揃えば優勝候補に挙がる」
「先発ローテが全員揃えばリーグトップクラスの左腕王国になる」
等々と言われて久しいチームが常に投打の主力を欠いていたことに加え、ウィークデーには戦えても日曜日となると全く勝ち星に見放されてしまうという状態が、なんと開幕から6月12日まで続きます(日曜日の公式戦9連敗)。
特筆すべきは守護神ヤスアキ=山﨑康晃投手の、”日曜日の呪い”期間中のコンディションですね。
平日登板では13試合無失点だったところ、日曜日の登板に限定すると、3試合(2回2/3)で6失点(自責点6)、防御率は20.25と惨憺たる成績となっていました。
そもそも概ね一週間おきに9試合あるにもかかわらず、”守護神”の登板機会が3回しかない(ベイスターズリードで終盤を迎えた試合が3試合しかない)という時点で違和感が半端じゃない(ちなみに、仮に全9試合に登板していたとしても不思議はないところです)、何かおかしいことが伝わってくるのですが、そのたった3回の成績が上記したものです。
ここまで極端な偏りが出来ると、どこかオカルトがかったものを感じなくもありません。
まさに”呪い”といった感じでしょうか。
今年2023年前半戦は”同点ヤスアキ”の脆さ(同点の場面で山﨑投手が登板するとかなりの高確率で救援失敗する)が指摘されるケースが目立ちましたが(最終的に、同点での登板は回避されるようになりました)、昨年は”日曜ヤスアキ”が何かに憑かれていたということで、いずれにしても一度の失敗や成績の偏りが強烈なインパクトとして残る節がある抑え投手にとって、どこか一点に致命的な穴があるという状態は、あまりありがたいことではありません。
まして山﨑投手の場合、昨年にせよ今年にせよ、本当のところどこに理由があってそうなっているのかがいまいちわかりづらい偏りが出来ている節が無くも無い分、現場としてはどうにもやりづらい部分があったりするのかもしれません。
ということで、“憑き物に憑かれたような守護神の成績”が象徴するチーム状態に引っ張られるかのように、順位そのものにしてもずるずると下降線を辿っていきます。
そのあたりが、およそ梅雨入りあたりまでのチーム状態でした。
ベイスターズと春の珍事
“オープン戦は好調、ただしその後は・・・”というチーム状態は、ベイスターズの前身・横浜大洋ホエールズ時代には、しばしば”春の珍事”と揶揄されました。
ちなみに”春の珍事”とは、”オープン戦「だけ」(あるいは開幕間もない時期まで)好調だ”というチーム状態を揶揄した表現です。
ペナントレースでは毎度早々に沈むことになるチームがなぜか春先に意地を見せた、これは珍しい! みたいな捉え方ですね。
2022年の序盤戦ということだと、とにかく阪神タイガースの絶不調ぶりにスポットが当たることが多かった(開幕から9連敗)、そのタイガースを中日ドラゴンズが(悪い意味で)後追いしていったということで、ベイスターズの不調自体についてはいまいち、リーグ全体、あるいはNPB全体の中では目立たない部分はあったのかもしれません。
しかしほぼ毎試合観戦し、逐一試合内容をチェックしているベイスターズファンについてはその限りではありませんということで、多くのファンが”何か”(=最終順位)を察したくなってしまうような状況のまま、序盤戦の日程を消化する日々が続きます。
つまりはそこで言われる”珍事”に沿うようなチーム状態となってしまったのが2022年シーズン序盤ではあったのですが、そもそもオープン戦期間の好調を”珍事”としてではなくポジティブに捉えたとしても、それはそれとして手放しには喜べない、不穏な事情がセットになっていました。
それが以下にまとめる、いわゆる”オープン戦3位の呪い”といわれるジンクスです。
オープン戦3位の呪い
”オープン戦3位の呪い”とは、オープン戦1位と2位はレギュラーシーズンAクラスほぼ確約、ただし3位についてはその限りではない(しばしばBクラスに沈む)という、過去10年の戦績から言われるジンクスのことです。
一位と二位はそれでも文句なし、ただしということで、”三位”という順位に待ったが入るんですね。
そもそもオープン戦は開幕が近くなって主力選手が連日登場するようになるまでは、レギュラーシーズンと違って、チームが試合の勝敗それ自体を目的としていない場合が多々あります。
特に、レギュラーがほぼ固定されていて、チーム自体が全盛期にある、”優勝候補の大本命”みたいな強いチームの場合ですね。
そのようなチームの場合、オープン戦の特に中盤位までは、若手選手や再起を狙う選手など”新戦力”の出場機会が増えるチーム編成になるのが常です。
主力選手は、首脳陣へのアピールではなく自身のコンディションを上げていく事や、他チームの主力選手の様子見をすること、要するにシーズンを万全の状態で迎え、シーズン通して自己のパフォーマンスを維持するための準備に力を注ぎます。
既に”ナンバーワンかつオンリーワン”となっている個々にとって、シーズン前から余計な無理をしてまで試合に貢献し、かつ勝ちにいかなければならない理由など、どこにもないからですね。
これに対して、チームの軸が定まっていない、かつ個々の選手の実力の底上げを図る必要があるようなチームの場合、場合によってはチーム全体がのっけから全力ですっ飛ばしていく必要が出てきます。
大ベテランやレジェンドOBが新人選手にしばしば一般論として伝える、”新人の開幕は2月1日”(春季キャンプ初日)の精神が必要とされるところで、強豪チームとは全く違った意味で、チーム全体が序盤から一丸となる必要が出て来るんですね。
もちろん、チーム事情はチームごとに異なるため、はじめからまともに勝負していない(選手育成や新戦力の選別を主目的として何試合も捨てている)チームと、頭からチーム一丸で突っ込んできているチームの違いが出て来るのもオープン戦の常です。
ここに”一軍半~二軍”チームと”ほぼ一軍”チームの対戦が場合によって多々生まれることとなるため、オープン戦の戦績を見るにあたっては、順位にまつわる過剰な期待は厳禁となってきます。
仮に期待したところで最後にはぬか喜びとなってしまう、ということが少なくないんですよね 笑。
それでもオープン戦を最後まで勝ち抜くことが出来たチーム(1位、2位)であれば、各チーム主力が揃いはじめてからもきちんと勝てていたという見方も出来るのですが、”そこそこ勝てた”チームの最上位(3位)となると、必ずしもそうとも言い切れない、結果順位はあまりあてにならないという見方自体、的を射ている面があるといえばあるものだったりします。
絶対当たる見方ではなかったとしても、言い得て妙だといえる部分がないわけではない、それが核心を突いたものの見方だというよりは、言われてみればそういう面も無くはないのかもしれないといったところですね。
実際過去10年の勝敗表を見ても、大体三位より下からレギュラーシーズンの成績が怪しくなってきている、”三位”は数字の威光ほどには多くを期待できないといった傾向が特に近年生じている、そのあたりが”ジンクス”の言わんとしているところとしてまとめられます。
昨年2022年のベイスターズには、このジンクス(=オープン戦三位の呪い)が所々でじわじわ頭をもたげる機会が何度もありました。
参考:日刊スポーツ “2022年オープン戦順位表“”【DeNA】「日曜日の呪い」ついに解けた9連敗でストップ リーグ戦再開後初勝利 8回に勝ち越し“、Full-Count “OP戦の順位はアテになる? 3位と最下位はシーズン大苦戦、優勝するのは…“”DeNA「日曜の呪い」の原因は? 気になる“穴”も…OBは来週以降に光明見出す“他
横浜反撃 -今永ノーノー、”日曜日の呪い”解除、ハマスタ17連勝-
ということで、まだチーム状態自体があまり芳しくなかった2022年6月7日。
ベイスターズとそのファンにとって、シーズンの先行きに対して嫌な空気が固まりかけていた頃ですね。
左腕エース・今永翔太投手が球団52年ぶりとなる大記録、ノーヒットノーランを達成しました(参考:横浜DeNAベイスターズ今永投手、球団52年ぶり、札ド初のノーヒットノーラン達成!)。
この大記録達成を一つの契機として、ファンですら予想もしていなかったベイスターズの快進撃が始まります。
まずは”日曜日の呪い”=週末の連敗記録が6月19日の甲子園球場にて行われた阪神タイガース戦にて約3か月ぶりに解除されると(ベイスターズ7-4阪神タイガース)、今度は本拠地ハマスタでの17連勝が始まります。
DeNA以降のベイスターズはこういう時の、一度乗ったらとことん勝ちまくるというような強さでファンを魅了してきたところが少なからずありますが、以降、ベイスターズを取り巻く状況は180度変化します。
“春の珍事”の先で”下手をすれば最下位”から、”今永ノーノー”を契機として”もしかすると優勝行けるかもしれない”へと、約二か月かけて推移していくことになるのですが、その中には近年の夏のハマスタ名物ともいえる”8月のナイトゲームのサヨナラ勝ち”も含まれていました。
それは人気球団にもなるでしょうよ、という“ホーム公式戦2か月負け無し”の神がかり的快進撃あって、タイガースが失速した8月の下旬にはCS(クライマックスシリーズ)出場をほぼ手中にし、そのまま2位でフィニッシュ、ポストシーズンのCSへと進みました。
参考:日刊スポーツ “【DeNA】ハマスタ17連勝 首位ヤクルトに4差 日本一98年に生まれた京山将弥と牧秀悟けん引“、SPAIA “DeNAハマスタ17連勝の足跡、サヨナラ4度のミラクル快進撃“、プロ野球Freak “貯金推移・順位推移グラフ(2022年全日程)“
2023年シーズンへ
22年から23年へ -反撃から頂戦へ-
しかし反撃もここまでだったということで、昨年はクライマックスシリーズの1stステージで敗退。
そうなると今期の目標は一つしかないということで、令和版”Get the FLAG”、チームスローガンに”横浜頂戦”を掲げて日本一を目標にシーズンを迎えます。
例年通り宜野湾でのキャンプインからのペナントレース序盤戦の健闘、交流戦初優勝と進み、気が付けば前半戦終了目前まで来ました。
とはいえ、確かに目標に対していい位置につけてはいるものの、前記したように中々すんなりとはいかない日々が続きます。ファンの期待に対して、いまいちピリッとしないチーム状態が続くこともあり、なんとなく勝ちながらAクラスにとどまったまま所々で肝心な試合を落としてしまうという、何かが引き締まらない状態ですね。
この場合の”何か”とは果してなんなのか。
要は一度緩んだチームへの”カツ”入れが必要だったということですね。
結局は試合に求める結果は試合でしか返って来ませんということで、昨年22年でいうところの”今永ノーノー”並みの衝撃が、今年23年のベイスターズにも用意されることになりました。
バウアー効果
DeNA前夜、球団史上でも有数の暗黒期にあった”TBS”時代のベイスターズや、DeNA最初期のベイスターズが試合の所々で見せていた気の抜けたプレイは、しばしば”ベイスボール”などと揶揄されていました。
“ベイスボール”は始めから悪い意味で使われていたわけではなく、元々は中畑政権下のベイスターズで監督自ら「生まれ変わった俺たちの野球を見せてやる」というような文脈で使われた言葉だった記憶もあるのですが、実際にチームが生まれ変わるまでには思った以上に時間を要することになってしまったということで、不運にもよからぬ意味で定着してしまったという、どこか残念な含みを持つ言葉です。
そこでいう”ベイスボール”に等しいような珍プレーは、以降もしばしば顔を見せることとなり、時に暗黒期のふがいなさまで掘り返されるようなこともしばしばあったのですが、まさにこの7月、1日の中日ドラゴンズ戦でバウアー投手が登板した際、満塁での挟殺(ランダウン)プレイで一人もアウトに出来なかったという野手陣の”やらかし”によって発生してしまいます。
数ある”ベイスボール”の中でも、結構デカイ部類に入るんじゃないの? というような。
塁が埋まっている時に塁間でランナーを挟むプレイは、高校野球や大学野球などのアマチュア野球だったとしても確実に一人はアウトに出来る場合がほとんどなんじゃないかというような、原則として守備側にとってはかなり簡単なプレイです。
基本的に内野手同士が飛び出したランナーを前の塁に戻す形で挟んで行けばいいだけで、長く挟まれれば挟まれるほどランナー不利になっていくという、実質”自動アウト”にも近いプレイなのですが、これがこともあろうにオールセーフとなってしまいます。
ベイスボール云々は置いておいても、かなりレアなプレーであることに違いはなく、実力云々というよりは緩んだ気持ちから生じたミス、あまりよろしくないチーム状態がもたらしてしまったミス、という感じのプレイですね。
まさに悪い時のベイスターズの全てが凝縮されたようなプレイが、どうにもしまらない試合続きの中で出て来ることになったということで、やっちまったなぁ、という感じで顔を見合わせる内野陣と、なにやってんだよという感じで観戦意欲をそがれるベイスターズファンの中。
その場面で吠えたのが、まさにその日の先発だったバウアー投手でした。
内野陣のやらかしの後、ひとしきり吠えた後は次打者をピッチャーゴロに打ち取り、ベースカバーを押しのけて自らファーストベースを踏みます(参考:日刊スポーツ “珍プレーにバウアーほえまくる 挟殺乱れ走者3人セーフ、最後は投ゴロ自ら一塁踏む“)。
バウアー自身は後に「吠えたのは自分自身に腹が立ったから」だと説明したものの(確かに、最後のランダウンプレイに至る一連の流れは、バウアー投手の一塁へのけん制悪送球から始まっています)、それはそれとしてファンの憤りが”珍プレー”に向かっていたであろうことは想像に難くなく(元々はともかく、なぜそこでアウトが取れないんだ?というような)、このシーンではスタンドから”バウアーコール”が起こります(参考:日刊スポーツ “バウアーほえまくった理由説明「強いて言うなら…」三浦監督は「熱くなる」と理解“)。
ファンからしてみれば、よくぞそこで吠えてくれたという感じですか(けん制悪送球についてももちろん褒められたプレイではないのですが、この場合はどちらのミスがより致命的なのかという話しですね)。
また、当該プレーを指して「優勝するチームがする野球ではない」と言い切ってもいたようで、その闘志といいコメント内容と言い、まるでファンの気持ちが乗り移っているかのようなバウアーの熱い振舞いには、さすがにどこか気が抜けたようになっていた選手たちからしても意気に感じるものがあったのかもしれません(参考:日刊スポーツ “激怒バウアーほえたワケ「かなり腹が立った。優勝するチームの野球ではなかった」“)。
ということでその翌日、東投手の力投の甲斐あって、連敗を4で止めます。
しかし、なんですよね。
勝ちまくっている時はちょっとやそっとでは負ける気配が無かったりするのもベイスターズの魅力ではあるのですが、反面、一旦沈んで負けだすとそれはそれでしつこい(?)のもまたベイスターズなんですということで、続くヤクルトとの試合では、二試合ともどうにもしまらない一点差負けを喫します。
バウアー投手の気合で引き分け、東投手の力投で連敗を止めたとはいえ、交流戦後に一度気の抜けたチーム状態的には、まだまだ”厄払い”は済んでいなかったわけです(?)。
バウアー、今永、東
ということで、ここでまたしてもバウアー投手の出番となります。
もちろん、それまでの試合は全て見ていたであろうバウアー投手、どうにも良くない状態のチームをバックにして、来日最多、MLB時代を含めても自己最多となる128球での完投勝利を飾りました(参考:日刊スポーツ “クレバー・バウアー!日米通じキャリア最多128球“冷静と情熱”兼ね備えた完投劇“)。
ペナントレースの中の数ある一試合というよりは、この試合に優勝でもかかっているんじゃないかというような張り詰めた緊張感の中、最後まで一人で投げ抜いたバウアー投手の気合には鬼気迫るものがあったのですが、事実か誇張か、SNS上ではその姿に感動して泣いたとか、バウアーの大ファンになったというようなプロ野球ファン・ベイスターズファンも続出していましたが 笑、”NPB史上最強助っ人”のこれでもかとばかりの熱いカツ入れが続きます。
そしてその翌日。
ルーキーイヤーから大車輪の活躍をしていたものの中々勝ち星に恵まれなかったことや、その他諸々の事情から”投げる哲学者”となってしまった左腕エース、今永投手がなんと、巨人戦にて7回1失点無四球、自己最多かつ球団最多タイ記録の奪三振15という驚異のピッチングでバウアーの闘志に続きました(参考:日刊スポーツ “今永昇太が球団タイ記録15奪三振 79年遠藤一彦、09年ランドルフに並ぶ“)。
特に7回裏の二者連続奪三振(15個目の奪三振)を決めた直後、常日頃はどちらかというとクールな振舞いが目立つ今永投手がバウアーばりにマウンドで吠えた姿は、ファンの心をわしづかみにします。
結局対巨人三連戦は2勝1敗で勝ち越し、まもなくオールスター前最後の一週間を迎えます、というところまで来ました。
今後どうなっていくんでしょうね、という期待感の中、前半戦最後の一週間に期待したいと思います。
タグ