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多方面にて、強烈な個性を発揮されたお方でした
参考:読売新聞 “渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆が死去、98歳“ほか
渡辺恒雄さん、通称ナベツネさんは、“自叙伝が面白い、数少ない有名人”の一人でもありました。
プロ野球関連のエピソードにも事欠かない人で、球界再編問題で(当時プロ野球選手の選手会会長を務めていた古田選手を筆頭とする)選手会の抵抗にあった際の「たかが選手が」発言(経営陣の労力を差し置いて生意気言うな、位の意ではなかったかと記憶していますが)はその筆頭付近に上がる逸話ですが、DeNAがTBSから球団買収する際にも(自分が知らない人間に球団を売らせるわけにはいかない、的な意を込めて)モバゲーを”モガベー”呼ばわりするなど、強烈なフィクサーぶりを発揮していました。
後日談としては、それを伝え聞いた(ということなのでしょう)我らが南場オーナーが、ナベツネさんの元に一升瓶一本持って出向き、後にナベツネさんを篭絡してしまった(その結果のDeNA球団買収成立、さらには現在の人気球団化が実現した)、なんていう逸話があったようにも記憶しています(お酒だったかなんだったか、その辺の記憶はあいまいですが 笑)。
結果論かもしれませんが、DeNAのような(球団経営に遺憾なく能力を発揮出来る)優良企業が球団買収することになったのも、結局はナベツネさんのような人(実の伴ったカタブツ)がそこにいたからだ、ということではあったのでしょう。
余談として、個人的には、という点としては。
00年代の前半~半ば位でしたか。
仕事の傍らで、余暇を新聞社や出版社の講演会聴講とか、資格取得のための勉強とか、キャリアアップのための”お勉強”に全振りしていた時期が数年ほどあったのですが、その時期しばしば読売新聞さん主催の講演会なんかにも伺う機会がありました。
正直、失礼ながら当時まではナベツネさんに対していい印象ってほぼ持っていなかったのですが 笑、読売新聞系のどの講演会に行っても、ほぼ必ずナベツネさんの席が最前列に(筆記用具付きで)用意してある、しかもナベツネさんはといえば開始までにその席にきちんと着席して、講演中もメモを取りながら話に聞き入っていました。
一度と言わず、割と聞きに行く度に、ですね。
当時で既に80歳を過ぎている、社内でもこれ以上上には上がりようがない立場にいながらにして、なおその勤勉な姿勢を持ち続けているという。
失礼ながら、あの業界でそんな人は未だかつて見たことが無かったので、その一事に強烈な衝撃を受け、以降、悪いイメージの一切が吹き飛んでしまったなんてことがありました 笑。
そのナベツネさんも、とうとう鬼籍に入られてしまったということで。
あちら側の世界では、盟友の中曽根元総理もお待ちになっておられることでしょう。
享年98ということで、大往生ですよね。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
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