【夏の高校野球/こういう甲子園を観たかった】今年の甲子園大会、滅茶苦茶面白いですね。

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実はジャイキリはジャイキリではなかったというあたりまで含めて、見応え満載の大会です

今にして思えば、そもそもの始まりは大会初日の第三試合でした。

全国的な知名度では対戦相手に大きく水をあけられていたという県立の岐阜城北高校が、甲子園(センバツ)優勝経験もある智辯学園高校に”幻の勝利“(9回2アウトからの誤審で試合継続)を挙げた一戦ですね。

結局岐阜城北高校は延長タイブレークで敗れてしまいましたが、ネット界隈では後日にも禍根を残すこととなった”疑惑の判定”から始まった今大会では、続く二日目以降も”波乱”が相次ぎました。

以下、15日までの対戦で”番狂わせ”と言われた主なカードです(太字は下馬評での優勝候補校)。

勝利校敗退校勝利校の地方予選戦績
小松大谷高校明豊高校(甲子園準優勝校)
大阪桐蔭高校(甲子園優勝校)
準決勝 金沢高校
決勝 星稜高校
新潟産業大学附属高校花咲徳栄高校(甲子園優勝校)3回戦 新潟明訓高校
準々決勝 日本文理高校
準決勝 中越高校
決勝 帝京長岡高校
鶴岡東高校聖光学院高校(甲子園ベスト4)地方大会第一シード校
大社高校報徳学園高校(甲子園優勝校)準決勝 開星高校
決勝 石見智翠館高校

このほか、同じく優勝候補校に挙げられていた健大高崎高校も二回戦で姿を消していますが、注目すべきは”大金星を挙げた”と言われている各校の、地方大会での戦績やポジションです。

特にものすごいと感じさせるのは新潟産業大学附属高校の戦績ですが、地方大会からの流れを振り返ると、くじ運自体がくじ運だったともいえるようなトーナメントになっています。地元オールスターチーム(ベンチ入りメンバー全員が新潟県内出身、うち約半数は学校がある柏崎出身です)でここまで健闘してもらえたら、地元民はおそらく大歓喜ではないでしょうか。

夏の大会で新潟代表の健闘というと、どうしても「日本文理の夏はまだ終わらなーい!」を期待してしまいたくなって来るのですが、それでもさすがにこの炎天下で連日強豪校とばかりの対戦はさぞやキツかったことでしょう。

二回戦の京都国際高校との対戦では既にチームが疲弊してボロボロになっていたことを感じさせるプレイが随所に出ていたようにも見えたのですが、県予選の三回戦位からほぼ甲子園大会で、埼玉徳栄高校相手の一回戦が甲子園の決勝だった、みたいな日程だったともいえなくもないところです。

他三校にしても然りで、県予選の時点で既に全国大会みたいなカードを勝ち抜いて甲子園に出場していますということで、ほぼ全ての学校が、地方大会の時点で知名度的にそれなりの格差がある相手を倒す試合を繰り返して甲子園に出場していることが分かるのですが、地方大会の延長線上に甲子園大会が位置しているのだと考えた場合、これは果たして本当にジャイキリ(本来の”ジャイアントキリング”は、番狂わせや大金星と同義で、実力含めて圧倒的な格上を倒すことを意味します)なのだろうかという疑問がわいてきます。

観戦者的には衝撃であっても、言うほどジャイキリでもないんですよね、多分。

確かに全国区での知名度的にはそうなのでしょうが、対戦校双方のチーム名を伏せた上で勝敗を考えるのであれば強いところが順当に勝ったというだけの話しで、全国区の強豪校とそれ以外の強豪校の差異が一昔前ほどではなくなっているのが今大会の傾向だということなのでしょう。

“言うほどジャイキリでもない”時点でそこに一つの潜在的な奇跡がある、観戦者は試合を通じてそのことに気が付いていったという形ですか。

スポーツ新聞の指摘によると、この”現象”の背景には、一因として、現在使用されている低反発バット(当たっても飛ばないバット)と投手力の底上げが潜んでいるようです。

なるほど、確かに、という感じですね。

昭和後半や平成期のように超高校級の選手を揃えたチームがフィジカルで相手を叩き潰すことが難しくなった上、昔に比べたら”凄いボール”を投げられる投手が増えたことが理由となっているということで、確かに今年は神奈川の地方大会でも”無名の公立校にプロ注の投手がいる”ことが話題になっていました。

そんな流れを全否定するかのように、優勝候補の一角として前評判通りに勝ち上がってベスト8進出一番乗りを決めた(二回戦富山代表富山商業、三回戦広島代表広陵高校)という、我らが神奈川県代表・東海大相模高校のような学校もあるにはありますが 笑、ひところ”地方予選で疲れ果ててしまうため、甲子園では勝てない“と言われていた神奈川代表が無難に勝ち上がっているあたりも、波乱といえば波乱にあたるのかもしれません。

なんにしても、今年の大会観戦はまだまだこれからも楽しめそうです。

来年以降は神奈川県大会でも、こういう傾向の地方大会が展開されることを期待しつつ。

参考:バーチャル高校野球、スポニチアネックス “【甲子園】名門校続々敗退なぜ? 低反発金属バットと投手レベルの底上げが影響

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