【2024年東京都知事選挙/とある”とっつぁん坊や”の善戦】現職再選については予定調和、ただし

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今回の都知事選には、とある空恐ろしさを感じさせる結果も伴っていました

参考:とある社会学者ととある都知事選候補の問答(Xより)ほか(週刊誌報道も多数)

今回の都知事選で二位の票数を得たらしい、石丸某という候補。

現在、選挙・投票が終わるのを待っていましたとばかりの勢いで、出るわ出るわの批判や醜聞がネットのそこかしこで爆増中となっています。

曰く、

  • 悪意満載の切り抜き動画を業者に乱造させ、地方議会を無能な敵方に仕立て上げた
  • その動画の拡散を以って、若年層をペテンにかけた
  • 市長時代の石丸某候補から事実無根の中傷を受けた議員が石丸某候補相手の裁判で勝訴
  • “選挙ポスターの印刷代金”踏み倒しに失敗し、最高裁に代金支払いを命じられる
  • 質問に質問を返す問答を得意とし(石丸構文と呼ばれています)、各方面で時間を浪費
  • 自身のお気に召さない記事を掲載した地元メディアへの烈火の如き叱責
  • 任期途中で地方行政を放り出し、都知事選へ出馬
  • 見事落選
  • 後任市長には”反石丸”を掲げた候補が当選

等々。

仮に現職が出馬していなければ、こんな質の悪い冗談のような候補が都知事の椅子に座ることになっていたという、悪夢のような現実に直面させられることになっていたんですね。

加えて、このふざけた候補の躍進を”SNSを駆使した戦略が云々”としてアシストしたと思われるのが大手メディアのいつものお手軽偏向報道ではあったのですが、にもかかわらず、開票早々”手のひら返し”の旗を振っているのもまた、大手メディアの気まぐれ軽薄報道であるという。

このような候補を安直に持ち上げた大手メディア、対して”メディアがまともに報じないから落選した”と言わんばかりの石丸某候補、そんな候補の挙動を見て違和感を感じたのか一転して手のひらを返し始めた大手メディア。

石丸某の怒り(?)が筋の通ったものだとするのであれば、大手マスコミに対して相当バラまいた(何をとは言いませんが)ってことなのでしょうか。

よくわかりませんが、そうとでも考えないと全く以って意味が分からないやり取りでもありますが、何から何までとても正気の沙汰とは思えない、悪意の連鎖、狂気のオンパレードって奴ですか。

こんなものをはじめから逐一見せられていた情報の受け手からすれば、一体我々は何を見せられているのだろうか、なんていうにふさわしい世界のシュールなドタバタコントですね。

かといって現職がどのような都政を進めて来たのかといえば、それこそ、人となりから政策遂行能力に至るまで、ほぼ全方位からの批判にまみれたもので、進むも地獄、戻るも地獄という現実がそこにあったことが開票早々じわじわ明らかになりつつ、進展することとなりました。

ここが”最悪”の底だと思っていたら、さらなる深みを見せつけられたと。

弱り目に祟り目って奴ですね。

問題だらけの報道の賜物ともいえる”迷惑系候補”を生んだこの悪しき風潮には、まだまだ先が用意されているのでしょう。

で、問題のその二位になってしまったという候補ですが。

ざっくり言えば、得体のしれない万能感を持ったままいい年になってしまった結果のはた迷惑な醜態が現在方々でさらしものになっているという、桁違いに香ばしい”とっつぁん坊やモンスター“候補ですね。

評価の中には”言動に一々パワハラ丸出し気質を感じる“というようなものも少なくなく、実際市長時代の動画には、モロにそれを思わせるような映像のオンパレードだったりするものもあります。

ぱっと見の見た目的には「え、こいつがパワハラするの?される方じゃなくて、する方?」みたいな印象が伴わないこともないように感じますが、これを上司に持つような世代、あるいは立場の人にとっては恐怖を感じさせる何かがあるってことなのでしょう。

要は権力を与えると豹変するタイプの小物だということで、絶対にそういうポジションに付かせてはならない類の輩の一人だってことですね(参考:【パワハラ/カスハラ】こういう人の扱い方、あるいは適材適所な配置って)。

現在のところ、SNS上などではいわゆる”信者”や”(悪いところが)似たもの”からの苦しいフォローもボチボチ入ってはいるようですが、ほぼ焼け石に水状態でもあるようで。

仮に”信者”が敬虔な信心を見せ続けたところで、あるいは工作員たちが対価相応の働きを見せたところで、いずれどこかで自爆の形で破綻するのは必定とも取れる言動は、相変わらずといった感じですね。

いい大人を小ばかにしたような(今振り返ってみれば全く陳腐な)切り抜き動画で成り上がった彼が、今度は自身のやらかしがまとめられた切り抜き動画などから炎上しているあたり、清々しいほどのブーメランの名手であることも思わせますが 笑、人を呪わば穴二つとは全く良く言ったものです。

そういえば、少し前にも汚職?か何かを問い詰められた地方議会の議員(いい年のおっちゃん)が会見の最中に感極まって泣きだしてしまったというようなことがありましたが、”感情のコントロールが未熟に見える、政治家としての中身がスッカラカンであるがゆえに、言動が明後日の方向を向いてしまっている公人”という点においては同類項でしょうか。

つい最近も60過ぎた女が小学生相手に大暴れして逮捕されたなんて嘆かわしいニュースがありましたけど、最近やたらと目に付くというイタい中高年要素も兼ね備えていそうに見えますね。

とどのつまりこの候補の何が問題なのかを端的に言うのであれば、“推し”に比した具体的・現実的な政策がまるで見えてこないという点ももちろんそうなのですが、それ以前の問題として人の話を聞く能力が皆無、聞く気が皆無の人、無駄に上から出ていらぬ混乱を誘発するだけの人(要するに丸出しの馬鹿)に政治は無理です、ということです。

当たり前すぎるくらい、当り前のことですが。

この点、

X上ではこんなやり取りもされていたようですが、一般にホリエモンとして知られている彼、塀の向こうに収監されてからこっちの言動には(コロナ時の某餃子屋さんとの、マスクを巡るやり取りなど)はた目にもおかしいものが少なくなかったですけど、そもそも件の彼はbotでもchatGPTでも答えられそうな質問にすらまともに答えていない(かつ、質問の意図を理解しているかどうかすら微妙な問答を得意としている)から燃えているんであって、この認識は全く以って見当違いなものですね。

その上で、”ハッピー米山”こと元新潟県知事の米山隆一さんも同旨のことをおっしゃっていますが、そもそも馬鹿でもわかる話を馬鹿に向けてする、慎重すぎる、丁寧過ぎるくらいで丁度なのが政治家の演説やらコミュニケーションの基本です(議会での質疑にしても然り)。

なんでって、そこに要らぬ誤解があってはならないからですが、この辺りのことは実際に地方の首長さん、あるいは国会議員レベルの政治家さん(いずれも、人としてまともな人に限りますが)と(浅い関わりだったとしても)コミュニケーションをとる機会があると、割とよくわかるところでもあります。

もちろん、そんな接点を持たなかったとしても、普通選挙制度の在り方や有権者の母集団を想定してみれば、この程度それこそ馬鹿でもわかる話しではないですかね。

ホリエモン氏の反応については、会話のレベルを下げたからと言って即女子会トークレベルの会話になって云々とかって考える発想もまた専ら悪い意味で突飛なんですが、極論として、例えば世間一般のあらゆる局面が女子会トークレベルで動いているのであれば(世の全てが他人の悪口、愚痴、色恋、下ネタで構成され切ってしまうのだとすれば、それはそれで恐ろしい、地獄のような世の中ですが)、女子会トークの中身を拾えない人間に政治家は務まらんってことです。

お前様は一体、誰のどういう支持を受けてなんのためにそこにいるんだ、翻って、そもそも何のために何を求めようとしていたのかってことが、この場合重要なこと(批判の本旨)になって来るんであって、マスコミの政治報道がクソ過ぎて話にならないとか、そういうことはここでは本旨から外れた話題なんですよ。

ただ単に現状の日本のマスコミ報道がクソすぎて話にならないってことを言いたいのであれば、それはそれで当たり前の感覚だろうとは思うので好きなだけ気が済むまで批判でも何でもしたらいいんじゃないだろうかとは思いますが、残念ながらこういうピントのボケたツッコミって、無駄に話しをややこしくするだけなんですね。

まあ、あからさまにそういうのを狙ってガソリンぶっかけている部分も、多分にあるかとは思いますが。

五十路のオッサンが(自分が参加出来るわけでもない)女子会を悪い意味での例えに唐突に持ってくるとか、年甲斐もなくダルいと言ってみたりとか、ネットの世界で死語になりつつある”デフォ”(デフォルトの略語ですね。SNS界隈ではすごく久々に目にしました 笑)とかって言葉を織り交ぜて逆に張って来るセンスとか、ただひたすらに“キモい”を通り越した気持ち悪さがにじみ出ている物言いでもあるといえば、そんな風にも見えてくるレスですね。

その辺の普通のオッサンであれば狙ってもここまでの気持ち悪さ(ある意味でのでたらめさ、一貫性の無さ)は出せないのではないかというような、炎上商法的には滅茶苦茶秀逸なレスではないかと思ったりもしますが、この件にまつわるホリエモン氏の発言については色々と追えば追うほど言っていることが支離滅裂さを増して来たりもするので(そもそも真面目だから石丸構文になっているのか、それとも馬鹿を馬鹿として見下しているから石丸構文になっているのか、どっちなんだい? というあたりは特にですね)、そこは察するに“大人の事情”ベースの発言になっているんだってことなのでしょう。

他にもそういう不自然なインフルエンサー何人か見かけた気がしなくもないですが、全く以って乙でありますって感じですか。

それはそれとして、ってことで話しを本線に戻すと、意味のある質問に対して無意味な質問返し、無駄な禍根以外の何物も生じさせないと思われる無意味な見下し、議会制民主主義の本旨を貫くことを原則とするのであればそんなものはもってのほかだってことです。

そもそもそれ以前の問題として、議会の議員や民間人の会話の意図するところをまともに汲む能力の無い(汲む気もない、汲もうともしない)人間が、有権者の代表になんてなれるわけがないでしょう(逆に、最も適性がない人間だともいえますね)、というあたりがSNS等で彼を批判している人間の言いたいことではあります。

ここを端点とした上で石丸構文だのパワハラだのって話に繋がっていくので、結論としてどれだけ質が悪いのか、政治家としての適性がないのかって話ですね。

質問の難易度云々なんてこの場合はじめから問題にもなっていない、残念ながら、今のホリエモン氏の想定の数段(あるいはそれ以上)低いところ、質の悪いところにあるのが、政治屋候補としての件の候補者の身の丈なんだ(だからこそ炎上狙いと思しき大人の事情風味のレスも、ピントのズレたものになってしまっている)ってことです。

それこそ塀の向こうの鉄格子の中にぶち込まれる前のホリエモンであれば、その辺の感度はただの神経質と紙一重のレベルで相当高かったはず、その結果異端ではあってもそれは優秀さの裏付けを伴うものだったってことがハッキリわかるキャラを浮き上がらせていたのではなかったっけ(著書を読み、動画等を見る限りの記憶を辿った話しでしかありませんが)、なんて思ったりもするのですが。

諸々含めて考えると、老害とまでは言いませんが、老いぼれた上にやきがまわったってことですかね、ホリエモンも。

なんというか、総じて、

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず

ですか。

あれも東京ならこれも東京、あれが現代ならこれも現代と。

深いですね、古典文学の観察眼は。

たかだか15年程度前のこととはいえ、石原都政に賛否があった頃の東京なんて、もう大昔の別の世界のようにも感じます。

この辺りの騒動を通じて、改めてそんなことを思わされました。

【今日の一冊/お勧め書籍】エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』

いわゆる”革新勢力”や安直な”革命”のうさん臭さのど真ん中を抉っているという、反・フランス革命本です。

今をさかのぼること200年以上前の文献にして、既に今日日の日本の”民主主義”のなれの果ての惨状が予言されているかのような内容になっているのですが、今の日本のポピュリズム・衆愚政治の狂いの元がぴたりと言い当てられています。

かつての”政権交代”然り、今回の石丸某然り。

どれもこれも有害無益な目糞鼻糞だってことですね。

一言で言えば、「いわゆる”明治維新”抜きで幕末からやりなおせ」(今の日本のそもそもの過ちの根源はそこにあるのだ、と言われているようには伝わりました。要旨の意訳です)が、この本が現代日本に向けて言わんとしていることです。

おっしゃること、全く以って御尤も。

ただしそんなことは現実問題として不可能なことですし、だからこそ一層”覆水盆に返らず”を感じさせられるところでもあるのが、残念なところですね。

近世-近代にかけての世界史の知識がボチボチあって、なおかつ政治にも興味があるという人にはイチ押しの本です。

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