【漫画レビュー/完結コミックス】ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 (13)

マンガ
"http://higehiro-anime.com/story/"より引用

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涙腺崩壊必至ながら、泣かせないエンドは◎

参考:カドコミ公式サイトアニメ版公式サイト

「ひげひろ」のコミックス最終巻がつい先日、発売されました。

なんとなく面白そうだったからという動機で手を出して一気にのめり込んだのが何年か前の話し。

待ちに待った最終話を何年越しかでようやく読むことが出来たのですが、結論としては全13巻のほぼ全てが見どころであり、なおかつ暖かいという、中々に濃い作品でした。

とある事情から家出した女子高生(さゆ)を、20代半ばの”オジサン”サラリーマン(吉田)が拾い、彼女を保護する形で同棲生活をスタートさせる、最終的にはしっかり家出女子高生を親もとへ返し、親子間の仲を円満解決に導いていく、その上で主要登場人物全員が未来に向かって歩き始めるというお話しですね。

どこかコミカルさを感じさせる(わかる人には”ラノベ原作”であることがタイトルから察せられるという)タイトルに対して、登場人物全員がこれでもかとばかりに良い人揃いだったことによって成立したという、“ひげ”や”女子高生”以外の部分が色々尖った作品でもあります。

オジサンというか、それは女子高生に比べたら20代のサラリーマンはオジサンではあるかもしれませんが、20代の半ばといえば、世間一般的にはギリ青年の部類に入るサラリーマンかと思います。

一つには、そんなお年頃の彼=吉田くんが若いながらも聖人レベルのいい人であるということが、この物語を感動の物語に作り上げています。

一口に”聖人”といったところでぱっと見で周囲を圧倒するわけではない、言動の総和が”いい人””有能な人”を醸すタイプであり、クール、ぶっきらぼうに見えるところがあっても、情にも厚い好青年ですね。

彼の言動やものの考え方そのものに共鳴できるか否かも作品の評価に大きな影響を与える要素となっていますが、「すごいわかる」と感じればドハマリする、反対に「造り物っぽい」と感じれば温く見えてしまう、結局はそういう分岐をしてしまう面もあるにはあるようです。

最終13巻ではとうとう彼女は親もとへ向かい、ぎくしゃくしていた母親との対面に臨むことになるのですが、結局無事に話し合いを終わらせることが出来た後、いよいよ二人(さゆちゃんと吉田くん)のお別れに向かう時間がはじまります。

13巻については、作中半分くらいが泣きどころ、涙腺崩壊ポイントと言った感じでしょうか。

まあそれはそうなりますよねという話しでもあるのですが、最後の最後では、まさに絵にかいたような大団円へ。

かといって、それまでの展開がそれまでの展開だったにも関わらず、まさにその場面では泣かせに来ないあたりにも好感が持てました。

物語自体にビシっと一本筋が通っていて、なおかつ一人一人の登場人物全員が自立出来ている形のエンドになっているので、余韻も爽やかなんですよね。

実際、この物語の延長でさゆちゃんと吉田くんの20年後を考えたら、10年程度の年の差なんて無いに等しいようなものでもあるのではないかと感じさせるあたり。

そういう意味では、今日日の世相の歪さなんかを感じさせる作品でもあるのかもしれません。

心温まる話を読みたい人にはお勧めな一作です。

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