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今期のベイスターズ
次期4番は”ハマのケンティー”?
一軍昇格早々ぶちかましたのは、プロ初ホームランとなった逆転満塁ホームラン。
その翌日の試合では、中途半端なスイングでライト方向に持っていった打球がスタンドインしました。
チームが不調のどん底にある中で2試合連続のホームランをかっ飛ばしたのは、井上絢登選手です。
一位で度会選手を獲得したことが話題となった、23年のドラフト六位入団の選手ですね。
打席に入った時の雰囲気も面構えも良い、スイングにも迫力がある、何より打球が素晴らしいと。
こういう選手は早い段階で4番に固定し、ある程度我慢もしながら育てて欲しいと思います。
今シーズンにしても、打順はともかくとにかくバンバン一軍で試合に出して、次の、あるいは将来の4番打者としての経験を積ませましょう。
今のチームで言えば、打の中心はオースティンか、それとも井上か。
将来性も込みの話であれば、そんな見方をしたくなってきます。
もちろん、現在4番を打つキャプテンの牧選手も頼りにはなりますし、安定して上位打線を担う元キャプテンの佐野選手についても然りなのですが、佐野選手や牧選手などは、贅沢を言えるのであれば少々役割が違うようにも思えてくる(二人とも、威圧感のある長距離砲というよりは、1発もある中距離バッターって感じですからね)以上、結局はこの二択になってくるようにも思えてくるんですよね。
どちらも、1ファンの個人的な印象でしかないのですが。
佐野選手や牧選手、度会選手などは、確かに長打もあるのですが、まさに打線の中核=4番に座ってほしいバッターかというと、その前後を固めることによってより一層分厚い打線を作ってほしいバッター、みたいに見えてくるんですよ。
もちろん、贅沢を言えるのであれば、って話ですね。
なら4番は? 通常であれば、まさに故障前のオースティン選手が適任者であったように、そこは助っ人でいいのでは?って感じですが、長距離砲を感じさせる若手が台頭したとなれば、話は全く変わってきます。
そもそもこの手の日本人野手、ベイスターズ・ホエールズの場合、過去どこまで遡ることになるのでしょう。
ひょっとして、2016年あたりの筒香選手の前がオバQこと田代富雄選手? まで遡ってしまうのかと一瞬思ってしまいましたが、そういえば暗黒ど真ん中時代にシーズン46発打ったという現コーチの村田修一選手の他、やや残念なケースとしては、現在中日ドラゴンズで4番打者として活躍する細川選手など、チームを去ってから開眼したというような選手も、いるにはいました。
ちなみにオバQさんはホエールズ入りする前が湘南地区の強豪・藤商(藤沢商業=現藤沢翔陵高校)だったあたりも”生え抜きの中の生え抜き”を感じさせるポイントではあるのですが、ともあれ、やっと出てきてくれた待望のバッターです。
思うところも色々出て来ますが、今後が楽しみです。
“背番号18″小園投手、プロ初勝利!
参考:デイリー “DeNA・小園がプロ初勝利 今季初先発で5回3失点でチームを3連勝&貯金1に導く 四回に井上が2戦連発の勝ち越しソロ“
今年こそやってくれる、実際そんなそんな期待が(ファームでの活躍を見る分に)今年の小園投手にはあったように思えたのですが、とうとうその時がやってきました、と言ったところですか。
“ケンティー”こと井上選手が2試合連続のお立ち台となったその2試合目。
ファームではずっと一緒だった選手同士でもあるようですが、ここは本当に、このチーム状態にあって、これ以上ないくらいの朗報となってくれました。
本当、この瞬間を待ってましたよ、なんていう初勝利。
マウンドでも雰囲気ありましたし、顔つきも精悍になってきましたね。
試合見ているとまだまだ危なっかしいところもあるにはありますが、とりあえず及第点、とりあえず初勝利ということで。
今後も期待してます!
されど厳しい現実 -巨人・阪神に6連敗-
参考:日テレニュース “【DeNA】三浦監督「流れを変えるきっかけにしたかった」自ら声出しも3連敗“
巨人に三戦連続で完封負けを食らった後、中日相手に三連勝し、迎えた阪神戦では再び三連敗。
戦術的にも個々の戦力的にも、今のセリーグの中では頭ひとつ二つ抜けている感じに見える阪神にはともかく、菅野が抜け、岡本が抜け、本来の状態から比べたらガタガタになっていると見てもおかしくない巨人相手にも、全く相手にならない負け方をしてしまったと。
もういい加減、オースティンが欠けたから、バウアーが不調だから、ブルペンがカツカツだからとか言ってられない状況になりつつありますよね、これ。
阪神に負けた3試合のうち、1試合は完封負け、残り2試合は共に一得点、そのうち1試合は1発での得点のみなので、厳しい見方をするのであれば6連敗のうち実質5敗が完封負け、ワンチャン三試合連続完封負けで3タテ喰らった(=トータルで6試合連続完封負けしていた)可能性もあったってことですか。
監督自らが声出しをしたところで変えることができる空気は限られていたということで、要は精神論でなんとかなる状態ではなかったということですね。
それもそのはず、というか。
ハマった打線をわざわざ組み替える、勢いのある新人を差し置いて”レジェンド代打”に固執する、得点圏にランナーがいる2点差の場面で上位の打者にバントの指示を出す、等々。
なすすべなく負けた後にやったことが「いじらんでいいところをいじる」「勝負の仕方を間違える」「困った時のベテラン頼み」「最後には気合注入」ということで、結果的に弱り目に祟り目コース一直線となってしまいました。
忌憚なくいうと、今のベイスターズの野球って面白くないんですよね。
どこに魅力を見出すべきなのかが分かりづらいチームになりつつあるように伝わりますし、選手個々の能力で負けているというよりはベンチの戦略や編成上の皺寄せで負けている感がどうしても強くなる、なんなら選手がいまいち冴えないのも、結局はそこに原因があるんじゃないかと。
「いい選手はぼちぼちいてもなぜか勝てない」、だから結局試合を見ていても素直に楽しめないことが多いという、横浜大洋ホエールズの令和最新版って感じですか。
その点、市井では三浦監督の責めに帰す声が圧倒的ですが、ことここまでくるとどうもその単純な見方のみが的を射ているとは必ずしも思えず。
特に攻撃面においてですね。
監督の決断以前に、本当にコーチやスタッフが役割相応に機能しているんでしょうか。
そのことが、ちょっとした闇を感じさせたりもするんですが、これ、三浦監督個人の判断だけがどうだというよりは、現状の三浦政権の在り方自体、船頭多くして船山に登ってる状態なんじゃないですかね。
あっちこっちから色んなデータや指示が飛び交っていて、それをうまいことまとめきれずに現場を指揮することになっている、みたいな。
だからこそ責任者に非難が向っているんだと言われればそれはそうなんでしょうし、もちろん最終的な責任の所在は監督にあるとしても、ある意味顔が全く見えない采配というか、采配の根拠がめちゃくちゃわかりにくい状態ではあるし、その辺全てが監督の首をすげ替えただけで解決できる問題なのかなという疑問、無くはないですよねやっぱり。
なんかよくわからんことやってるけど大丈夫なん? やっぱりダメだった、というような試合展開も毎度のことになりつつありますし、結果、勝つときは選手個々の動きが奇跡的にハマっての大勝、そういう勝ち方ができない時は全くなすすべなく、負けるべくして負けていると。
なまじ勝てる試合がある分より一層モヤモヤむしゃくしゃする、これももう、今季はよくある話になってきた感があります。
期待しては落とされる。期待しては落とされる。結局はその連続ですからね。
“今後”あるいは”次期”に望むとすれば、今はやっぱりわかりやすく、かつ実効性が伴った強力なリーダーシップですかね。
その一点、って感じで観戦してます。
結局は「思い切りが足りない」ということなのか
参考:cocoKARA “「攻略する気持ちが本当にありますか」–なぜ巨人と阪神に勝てない? 元4番がぶつけた強力打線の隠しきれない“課題”【DeNA】“
今シーズンは、主にオースティンの不調の煽りをもろに受ける形で常に打線が苦しい中、ポジ要素として若手が台頭してくれていることに、ファンとしてはまだ救われているという現実があるにはあります。
松尾然り、小園然り、林然り、井上然り、ですね。
今年はイマイチ冴えないですけど、森敬斗や梶原あたりも、去年後半(特にPS)はチームを引っ張ってくれました。
起用法がいまいち不安定というか、どこかハマってこないことを感じさせる度会にしても然り、実働年数や年齢を考えたら、祐大や入江あたりもギリここに含まれるでしょうか。
ということは、キャプテンの牧も含まれることになるわけです。
こう書いてみると、どの層(≒世代)が今のチームの中心になっているのか(なるべきなのか)は割と明白なんですよね。
中堅以上ではなく、中堅以下の層です。
DeNAベイスターズ最初期のメンバーはもうそろそろの時期ってことで、現状、忖度無くシーズン通して戦力として通用しそうなのは”クワ・佐野”コンビくらいでしょうか。
その代わりに、まさに今のチームを担っているのが、選手としては”強いベイスターズ”しか知らない世代であると。
ファンとしては大いに結構なことだと思いますが、その分、チームとしてはかなり大事な時期に差し掛かっている気はします。
要は、ここで一気に覚醒した上で、チームカラーを強豪のそれへと上書きできるかどうかですよね。
特に、ここにきて“オースティンの後釜(=将来の4番)候補”筆頭という形で(?)一気に台頭してきた長距離砲、“ケンティー”こと井上選手の活躍もあって新旧のバランスもいい具合に取れつつある、これからのチームの形も見え始めてきたかなと思えた矢先ではあったのですが、それでも靍岡コーチ曰く「井上に頼るのも寂しい」とのことで。
我慢して使われるというようなこともなく、出たり引っ込んだりが始まりました。
水差し発言、とまでいうつもりはないのですが、ある意味あまりよろしくない今現在のチーム状態を象徴するような発言・起用法ではありますかね。
もっとも、この発言は一種のレトリックにすぎず本当の理由はオブラートに包まれている、要するに井上選手の一軍起用にあたってはまだまだ別に問題がある段階なのだということなのかもしれませんが(?)、続く村田コーチの発言に至ってはあまりに客観的すぎて、というか嫌な言い方をすればチーム状態に対する評が他人事のように伝わるので、どこか市井の解説者の発言に近しいものに見えてしまいます。
現場を預かっているコーチの発言らしからぬというか、これを内側に向けては言えない空気があるのかと勘ぐりたくもなってきますし、逆に言った上でのこの惨状だということであれば、むしろ黙っているよりタチが悪い”言いっぱなし”になっているのではないかと。
そんなことを連想させられた結果、巡り巡って牧選手の孤軍奮闘の意味が別角度から補強されるイメージに繋がっちゃうんですよね。
キャプテンの牧選手が連敗中に強いて「チームで戦わなきゃ」というようなことを言っているって、要はそれを指示する指導者がいない政権なんだってことのようにも伝わるって話ですか。
その文脈で解釈すると、しばしば負け試合の三浦監督が指示する“取ってつけたような送りバント”にしてもまた、戦術としての稚拙さ(?)のほか、なんとも絶妙な不器用さが加味されてくるように思えます。
“人柄の良さ”が際立たせることになってしまう投手出身監督であるが故の弱点、ってことになるんでしょうか。
それもこれも元々のスタッフの想定とはあまりにかけ離れたチーム状態が用意されることになってしまったが故に、元々のプランが全く機能しなくなってしまったからなのだ、だからこんな状態になってしまっているんだと言われればその通りでもあるのですが、だからこそ、だったらなおのこと。
つまらんこだわり、当初の目論見。
そんなものは全て、一旦白紙にした後でチームを立て直して欲しいなと、そんなふうには感じます。
がんばれ、ベイスターズ!
これもまた、強豪チームへ向かうための試練でしょう
参考:cocoKARA “どん底に落ちたバウアーをどう立て直す? DeNA首脳陣に訊いた“プライド消えぬCY賞投手の再起計画”「結構難しいところはある」“
ファンとして一番嬉しいのは、こういうMLBの中でもトップクラスの選手に対して、媚びるでもなく馴れ合うでもなく、がっつり調和していこうとする姿勢を見せてくれることですね。
「進言すべきは進言する、しかし決して進言しっぱなしにはしない」というこの感じ。
1ファンとして、めちゃくちゃ心強く感じます。
相手の身の丈をしっかり見極めた上で、その力をどう引き出していくことにするかという、そういう”難題”にチームとして正面から取り組んでいるわけで、こういう経験そのものが今後チームの財産となっていくんだろうな、なんてことも伝わってきます。
DeNA以前のチームでこういうことが期待できたかといえば、失礼ながらちょっと想像できない感じでしたからね。
チーム内では選手が三々五々分かれてそれぞれが好き勝手やってる、その中で能力が高いものだけが勝手に伸びていって、最後にはただタイトル争いにのみ選手としてのモチベを見出していく、なんてのが当たり前でしたし。
結局はそれがホエールズ時代からチームに染み込んでいた悪弊で、そういう悪弊が確変を起こした結果が98年の日本一ではありました。
それが今では、より高いレベルを目指し、選手もスタッフもそれぞれが立場相応に”for the team”で一丸となっていると。
今ここで普通の強豪チームに生まれ変わろうとしている機運があるにはある、ということですか。
こんな素晴らしいことないんじゃないでしょうか、なんて改めて思ってしまったりもしますが、こういう経験は絶対にチームに還元していってほしいと感じます。
あとは野手陣、特に伸び代だらけの若手選手たちにも、同様の指導を期待したいところですね。
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