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今期のベイスターズ
???「本気になってみろよ!」
そうなんですよ。今のチームは、キヨシ監督の熱血指導から始まったんですよね。
今あの暗黒期ど真ん中チームへの熱い指導シーンを不意打ちで出されると涙腺への刺激が強めになったりもしますけど(今やセリーグのCS常連、昨年は下剋上日本一!)、そんな中に飄々と出てくる高木豊さん。
豊さんはなんというか、演技が上手いといえばそういう枠に入る部分が出てくることになるのかもしれませんが、自身の動画チャンネルでメインを務めても、プロ野球ニュース等々に出てきても、そしてここで高木豊役で登場しても、どれも皆普通に高木豊してるあたり。
これが演技であればどんな役をやらせてもキムタクになってしまうというキムタク味があるように思えたりもしますが、案外平松さんや野村さんあたりが豊さんと入れ替わったとしても同じように見えるのでしょうか。
ショートドラマのための演技だっていうよりは、まんま高木豊チャンネルの解説パート(ドラマ用)です。
演技が上手いという表現がしっくり来るのはお姉ちゃんたち二人の方で、豊さんはいつもの動画の収録をそのままやってるみたいな感じ、その枠の中に全てを持ち込めるうまさがあるように見えました。
キャスティングの妙って奴ですね。
っていうか、それはそれとして。
サラッと流してくる動画内のホワイトボードに高木屋敷加藤の記名が・・・。
\ユーターカーユーターカー カットーバーセユータカー/
\イクゾ タイヨー イクゾ タイヨー/
往年のスーパーカートリオの一員、豊さん登場をさりげなく補佐する追撃です。
おっさnいやいや、オールドファンホイホイのような演出が仕込まれてるあたりのセンスが、なんともDeNAを感じさせます。
応援歌に横浜市歌入れてみたり、応援にホエールズ時代のチャンテ(デンデデンデンデン×4 かっ飛ばせー○○)入れてみたり。
そういう細かいところに色々ぶっ込んでくる演出が実に心憎いですね。
しかしそういえば、あの死神にロックオンされたお姉ちゃん、フリーターかOLかと思ったら、スタジアムで働いてたんですね。
ベイスターズの帽子かぶってグラコン着ると別人に見える風貌にはなんともプロ意識を感じさせられますが、「設定えぐ」とか微妙に何目線かわからんメタ視点をさりげなく絡めてくるあたり。
「終わってみなけりゃソレがどうなってるかわからない」シュレディンガーの猫味がある構成に対してフィクション・ノンフィクションの境目を意図して語りに来ている風が、結構良きです。
「ソレはソレ、これはこれ」「でもこれはこれで楽しんでね」みたいな。
豊さんに見えるよーと言われた死神のお姉ちゃんも、その言葉をそこはかとなく二つの意味で感じ取っているかのような「私こんなとこで何してんだろ」みたいな顔がなんともシュールでしたけど、ロックオンされたお姉ちゃんが食われなかった場合、つまりベイスターズがリーグ優勝から日本一になった場合は死神お姉ちゃんが人間に戻る設定もありっちゃアリかもわかりません。
それとは別に、
「次は一体誰が出てくるのか」
「バウアーはいつどんな形で出てくるのか」
目下の楽しみはやはりこの辺ですか。
先週までとはやや違った意味で、割と次回が楽しみです 笑。
本気になったベイスターズ
バウアーの粘投からの、林の一人舞台へ。
延長に至る終盤はチームにバウアーの気迫が乗り移ったかのような展開で、ヒーローが何人も登場しました。
中でもこの試合は林選手ですね。
「亡くなったおじいちゃんへの一打」が、ファンの心を鷲掴みしました。
続く阪神タイガースとの変則二連戦も、二試合ともロースコアの緊迫したゲーム。
投手戦なのか貧打戦なのかは見る人の評価によってくる部分もあるでしょうが、勝ち試合を延長12回引き分けに持ち込まれた新潟での一戦にしろ、最後の最後に土俵際まで追い詰められながらも一点差を守り切ったハマスタでの一戦にしろ、やはり首位チーム相手に楽な試合は期待できないよねというような、なんとも見応えのある試合が続きました。
そもそも、近年のベイスターズがペナントレースから日本一へと向かう過程において、その前に立ちはだかってくる最強の敵みたいなポジションにいるのが、この阪神タイガースです。
イメージ的には阪神に勝てるかどうかで日本シリーズ出場が決まるみたいな感すらある、CS出場年はほぼ毎回当たっているチームでもあるのですが、その意味では今年もまた、阪神戦は熱いカードになるのでしょう。
今シーズンの投手陣って、おそらく歴代最強の布陣です
参考:Web sportiva “あわや期待外れ助っ人の危機からベイスターズ日本一の立役者へ ジャクソンを覚醒させた二軍降格とバウアーの助言“、Number Web “「アズマ(東克樹)や(アンドレ・)ジャクソンのおかげで…」DeNAアンソニー・ケイ“2年目の充実”を支えるもの「日本に来たことは正解でした」“、週刊ベースボールonline “バウアーより安定感が上? 今オフに争奪戦の可能性の「助っ人左腕」は“
少なくともハマスタ移転後のホエールズからこっち、DeNA前の歴代ベイスターズ(大洋漁業+ニッポン放送時代の横浜ベイスターズ→”TBS”ベイスターズ)時代を振り返ってみても、「先発にエース級四人」は記憶にないです。
ハマスタ移転後の黎明期は、平松投手、遠藤投手、斉藤明雄投手という昭和の大投手がチーム投手陣を牽引していた感じでしたね。
ちなみにホエールズ・ベイスターズ史上、沢村賞を受賞したのは現在のところホエールズ時代の平松・遠藤両投手のみです。斉藤明雄投手にも惜しい年があったのですが、全盛期をほぼ抑えで過ごしたことも”未受賞”とは強い因果関係があったところです。
何分にも80年代の先発投手(それも各チームのエース級)ということだとレジェンド投手の巣窟みたいなところがあるのでなんとも言い難い面も無きにしも非ずですが、もし斉藤明雄投手が先発一本で行っていれば、遠藤投手と並んで沢村賞受賞は十分考えられたところではあったでしょう。
平松投手のみ世代がズレ、同世代の遠藤・斎藤両投手は先発・抑えという役割分担から役割の入れ替わりを経てまた元に戻っていったという感じではありましたが、どこか孤高を感じさせる立場をイメージさせられます。
「あの頃、他にこれだけ働けた投手はいた?」って感じですか。
特に”巨人キラー”遠藤投手の存在はどれだけ心強かったかわかりません。
よく巨人ファンが「いつもいつも遠藤ばかりぶつけてきやがってふざけるなこの野郎」というようなことを言っていた記憶もありますが、おそらく遠藤投手は当時の巨人ファンが最も嫌ったホエールズの選手ですね 笑。
98年は、確かにローテはしっかりしていましたけど、ローテが固かったからというよりは最後大魔神に繋ぐまでの中継ぎ陣がリーグ屈指だったから、その上でNPB史上でも最強レベルのクローザー=大魔神佐々木がいたからあの結果を出せたのだという面があったように思えますし、もっというならあの年の強みは「1〜8番まで、どこからでも得点できる」マシンガン打線でした。
「打のチームに佐々木がいたから日本一になれた」感じではあったでしょう。
そもそも98年のエースって誰?と振り返った時に、人によって答えは違ってくるようにも思えます。
エース級が一人で牽引したというよりは、準エース級が割拠していたからローテを回せた感じでした(まだまだ若手の立場でその一角を担っていたのが、今の三浦監督でしたね)。
強いていうなら二桁勝った野村投手、三浦投手(現監督)、斎藤隆投手の三人のうちの誰かという選択になりそうですが、前後の年の働きから考えると野村投手をエースだと考えるのが無難かつ妥当なところにはなってきそうです。
かつての平松投手や遠藤投手が持っていたような圧倒的な評ではなく、実働から考えるとこうなる的な判断で、この年「圧倒的なもの」を持っていたのは抑えの佐々木投手でした。
DeNA以降だと、結局は微妙な不発に終わったものの、今永+石田+濱口+東の左腕カルテットが騒がれた頃が、強いていうなら現状に近い状態だったでしょうか。
2010年代末の、ラミレス政権時代でしたね。
カルテット以外はゼロかと言えば、昨今不調が続くヤスアキ投手の全盛期が被る時期で、他にも中継ぎ以降の戦力や「谷間の先発」的投手であればそこそこの戦力を保持していました。
今はもう引退してしまった“広島カープのとある投手”と投げ合う時だけ別人になったような投球をする、ということで話題になった、全てのベイファンが「お願いだから毎試合相手投手が広島の野村だと思って投げてくれ」と思っていたのではないかという三嶋投手が中継ぎで復活を果たしたのも、その2010年代末のことでした。
今年を計算に入れないのであれば、今にして思うとあの頃がベイスターズ史上でも有数となる充実した投手陣を擁していた時期だったかもわかりませんが、全体で見ると「一人二人ずば抜けた投手がいる」状態というのが割とベイスターズ投手陣のよくある風景ではありました。
その一人二人にしてもどちらかというとブルペンにいる方が多かった感じで、先発の柱=エース不在の時期でも抑えの切り札だけはリーグ屈指、みたいなチームでもあったんですよね。
斉藤明雄、遠藤、中山、佐々木、クルーン、山口、ヤスアキ、三嶋、森原、そして今の入江ですか。
ちなみに斉藤明雄投手と遠藤投手については、二人とも先発も抑えも経験してどちらでも結果を残していますが、僅差リードで最終回に持っていければなんとかなる、身も蓋も無いことを言えばそういう戦い方をせざるを得ないチームだったってことで、この辺りはそもそもホエールズ初V時代あたりからの伝統でもあるようです。
いわゆる“三原マジック”の三原脩監督は、投手分業制のパイオニアでもあったということですね。
これに対してエースを上げろと言われると、遠藤投手の後を受けるのが左の野村投手、その後が暗黒期の三浦投手で、そこから一気に今永投手、東投手あたりでしょうか。
実際、割とガバガバなんですよね。
そのくらい、何度も二桁勝ってる、イニングも食ってくれる、あわよくば先発完投できる、開幕も完封も経験してるし年間通じてローテーションを守り切ってくれる、こういう投手が枯渇していたってことですね。
遠藤・斎藤時代のスーパーカートリオ+ポンセ・パチョレック、大魔神佐々木時代のマシンガン打線、DeNAベイスターズ前夜・暗黒期の金城内川村田、左腕カルテット+ヤスアキ時代のロペス筒香宮﨑(+梶谷・桑原・倉本)みたいに、どちらがより強烈にチームを牽引しているかといえば、どちらかというと「打」に比重があったのがベイスターズの伝統?ではあったんですよね。
だから今ここに至っても「打のチームである」イメージが強かったりもするのですが、そもそも助っ人三人が二桁勝利を期待できるエース級、そのうちの一人は「沢村賞を取りに行く」ことを公言しているメジャー最高峰の投手であると。
結果、本来であれば押しも押されぬローテの柱・エースであるはずの東投手の存在が霞みかけているっていい意味での異常事態で、「先発投手に二桁勝利が四人」は、達成できたらベイスターズ史上初の快挙となります。
育成契約のハンセル・マルセリーノ選手が支配下契約へ
参考:DeNAベイスターズ公式サイト “ハンセル・マルセリーノ選手を支配下選手として契約“
そんな最強投手陣に、また一人期待の助っ人が加わりました。
すでにファームでは話題となっていたという期待の大型新人、マルセリーノ投手ですね。
球団から唐突に「スーツを着て事務所に来い」などとプロ野球選手が言われた場合、往々にしてオフシーズンに始まるあっちの方を想像してしまいがちですが(テレビ番組にもなっているという、戦力外通告ですね)、今回はその逆パターンです。
それもかなりドラマチックなものだったようで、その知らせに感涙したというやる気の塊、マルセリーノ投手がベイスターズに正式に加入する運びとなりました。
惜しむらくは現在の一軍のチーム事情ですか。
既述のように、ベイスターズ歴代でも最強と言える現在の先発投手陣および中継ぎの一角には、外国人枠マックスとなる四人が陣取っています(バウアー、ケイ、ジャクソン、ウィック)。なのでこのまま行くと活躍するのはもう少し先になるようではありますが、今期四人が万全の状態でシーズン完走してくれるとすれば、早ければ来年早々にもということですか。
今から将来の活躍が楽しみな即戦力投手ですね。
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